経営相談が無料でできるおすすめの窓口を一覧で紹介!相談のメリットや選び方のポイントも詳しく解説
企業を経営している方の中には、さまざまな課題を抱えて悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
経営戦略を練る際には、一つひとつの判断が会社の将来を大きく左右する決断となります。
本記事では、経営相談におすすめの窓口を無料と有料に分けて紹介しています。
また、相談所を選ぶポイントや相談するメリットについても解説しているので、自社の現状や課題に適した相談ができるように参考にしてください。
経営相談とは
経営相談とは、自社で抱えている悩みを的確に解決するために相談所に悩みを相談することです。
経営相談をすることによって、各分野の専門家から経営課題に対するアドバイスをもらうことができ、効率的な事業推進につながります。
企業経営の中心を担う経営者や経営陣の決断は、今後の会社の存続を左右する重要なものです。
最適な経営判断を下すためにも、企業経営で悩みごとを抱えた際は専門家にアドバイスを求めることが重要です。
経営者は孤独で周囲に相談相手がいない
会社の経営状態を従業員に話す経営者は少ないです。経営に関する情報をオープンにしてしまうと、従業員の離職や情報の流失などさまざまなリスクにつながります。
そのため、経営者は悩みごとを抱えた際に、社内に相談相手がおらず1人で悩むことが多いです。経営者は抱えている悩みを相談できず、孤独になりやすい立場にあります。
しかし、自分の知識のみで経営判断を下してしまうのもまたリスクとなります。
信頼のできる外部機関に経営に関するアドバイスを求めることによって、より良い課題の改善が期待できます。
経営相談をするベストなタイミングは
起業経営をしていると、さまざまな課題にぶつかり悩みを抱えることが多々あります。
しかし、経営に関する相談窓口を利用したことがない場合、どのようなタイミングで相談すればよいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
以下のような課題を抱えている場合は、窓口に相談してみることをおすすめします。早めに相談することによって、早急に経営判断を下すことができるでしょう。
起業に関する悩みを抱えている
まずは、これから起業を考えるタイミングで窓口に相談することをおすすめします。
初めて起業をする際には、会社の設立にあたってさまざまな手続きが必要です。
また、税金に関する知識がなければ正しい税務処理はできません。
起業をする際には、必要な手続きや税務処理の知識を身につけておくために、事前に窓口に相談し確認しておくようにしましょう。
費用を支払い相談することで、手続きに関するさまざまなサポートを受けることができます。
経営全般に関する悩みを抱えている
経営戦略や事業計画の立案など経営全般に関する悩みを抱えている時も、経営相談をするのに適したタイミングです。
中小企業診断士や経営コンサルタントなど、経営課題解決のプロフェッショナルに相談することによって、自社の現状にあった最適な提案をしてもらうことができます。
特に会社の幹となる経営方針に関する内容は今後の事業拡大にも影響するため、相談をして慎重に進めることをおすすめします。
資金繰りに関する悩みを抱えている
起業して間もない頃は、事業を進めるための資金の管理に手間がかかります。
特に、会計知識がある人材がいない場合は、入出金の管理が難しく感じることでしょう。
会社の資金管理は企業経営を行ううえで特に重要となるため、悩みを抱えた際にはすぐに相談することをおすすめします。
取引先とのトラブルに関する悩みを抱えている
企業を経営していると、さまざまな会社と取引をする機会があります。取引を行う中で従業員の不祥事や納期遅れなどが発覚すると、他社とのトラブルに発展する可能性があります。
取引先とのトラブルは自社の利益の減少につながるだけでなく、契約の解除や裁判沙汰になる危険性もあります。
最適な解決策を考えることが難しい場合は、もしもの場合に備えてすぐに相談することがおすすめです。
経営相談をすることのメリット
適切なタイミングで経営相談をすることによって、企業経営において大きなメリットを得ることができます。
相談窓口を利用することのメリットには、以下の3点が挙げられます。
- 飛躍のチャンスが見つかる
- 客観的な視点で経営を考えられる
- さまざまなトラブルを回避できる
より良い企業経営を目指す場合、適切なタイミングで経営相談をすることは有利に働くでしょう。
飛躍のチャンスが見つかる
経営全般や資金繰りに関する的確なアドバイスをもらうことによって、より効率的に事業を進めることが可能です。
より大きな利益を上げることができるようになり、会社としての飛躍にもつながります。
特に、中小企業やできたばかりの零細企業の経営者の身近には、経営に関するアドバイスをしてくれる人が少ないです。
より良い事業拡大につなげるためにも、経営相談は重要な役割を果たします。
客観的な視点で経営を考えられる
企業を経営する中で、さまざまな視点から経営判断を下すことは必要不可欠です。
経営相談をすることによって、自身の主観のみで経営判断をするのではなく各分野の専門家の意見を聞いたうえで、さまざまな視点から検討し事業を進めることができます。
自身の知らない知識をもとにより安全で効率的な企業経営ができることは、経営相談所を使用するメリットの1つであるといえます。
さまざまなトラブルを回避できる
企業経営を行う中で、取引先とのトラブルやお金に関するトラブル、役員や従業員の不祥事などさまざまなトラブルが発生することがあります。
事前に事業の進め方に関するアドバイスをもらうことによってリスクヘッジをしながら事業を進められるため、トラブルを未然に回避できる可能性が高まります。
また、取引先とのトラブルが発生してしまった場合でも、トラブル発生直後に相談することでより良い対処法を聞くことができ、さらなる関係の悪化や会社としての不利益を防ぐことができるでしょう。
経営相談は、会社のトラブル回避のためにも重要な役割を果たします。
経営相談をする相談所選びのポイント
経営相談をする場合、いくつかのポイントを理解したうえで相談することによって、より効果的なアドバイスを受けることができます。
たとえば、自社が財務に関する悩みを抱えている際に、会計に強くない相談所に相談したとしても良い解決策が得られる可能性は低いです。
自社の悩みや予算に適した相談所を見つけることができるように、以下の5つのポイントを踏まえて選ぶように心がけましょう。
ポイント①:無料で相談できる
大企業の場合、優秀な経営陣や外部相談役がいることが多いです。
しかし、会社を設立したばかりの中小企業には相談相手が少なく、予算にも限りがあります。
そのため、中小企業が初めて経営相談をする場合、まずは無料の相談窓口を利用することがおすすめです。
無料の相談窓口でも専門家による的確なアドバイスがもらえるため、経費をかけずに有効なアドバイスを得ることができます。
ポイント②:専門家の実績で選ぶ
経営相談所を選ぶ際には、実績豊富な専門家が在籍しているところを選ぶことを心がけましょう。
さまざまな企業の相談に対応してきた専門家であれば、これまでの経験や知識からそれぞれの会社の状況に適したアドバイスをしてくれます。
相談所に訪れても、抽象的なアドバイスを受けるだけでは時間の無駄遣いになります。事前に相談所に在籍している専門家の実績を調べたうえで、相談に訪れることがおすすめです。
ポイント③:サポート体制が充実している
相談に対するサポート体制が充実している相談所を選ぶこともおすすめです。
メールや電話のみでのサポートでは、深い相談は難しい場合があります。
手厚いサポート体制が整っている相談所であれば、悩みごとに関するさまざまな資料を準備してもらうこともでき、最適な企業経営を行うサポートをしてもらえるでしょう。
ポイント④:相談方法で選ぶ
経営相談の方法も相談所によって異なります。直接面会やオンライン、電話、メールなど相談方法はさまざまです。
会社の運営状況や相談内容によって、直接話が聞きたいのかメールで簡単に相談したいだけなのかは異なると思います。
相談所によっても対応している相談方法が異なるため、事前にどのような対応があるのかを確認したうえで自社にとって都合の良い対応をしてもらえる相談所を選ぶようにしましょう。
ポイント⑤:自社の悩みに最適な相談相手を選ぶ
一言で経営相談といっても、相談所によってそれぞれの課題に対する専門性は異なります。
経営に関する課題は中小企業診断士、財務に関する課題は公認会計士がいる相談所に相談することによって、最適なアドバイスを得ることが可能です。
効率的な課題解決のために、自社の課題を最も的確に解決できる相談所を選ぶようにしましょう。
ポイント⑥:口コミから判断する
良い相談所を探す際には、ネットの口コミを参考にすることもおすすめです。
口コミを見ることで、相談所の対応の良さやどのような相談に乗ってもらえるのかを知ることができます。
事前に口コミを見ておくことによって対応の良し悪しの判断ができ、自社にとって最適な相談所を見つけ出すことが可能です。
無料と有料の経営相談所の違い
経営相談を検討する際に、無料と有料どちらの相談所に相談すべきかで悩む方も多いのではないでしょうか。
無料の相談所は料金が発生しないため、ちょっとした悩みでも気軽に相談しやすい点がメリットです。
しかし、ほとんどの無料相談所ではメールや電話での相談のみを受け付けており、直接向かい合って相談することができません。また、相談するためには会員登録が必要になる場合もあります。
気軽な相談程度であれば無料相談所がおすすめですが、面と向かってしっかりと悩みを聞いてもらいたい場合は有料相談所を選びましょう。
有料相談所の中には、サポート体制が整っており自社に直接出向いて相談に対応してくれる相談所もあります。さらに、悩みごとに関する資料やデータを用意してくれるなど手厚い対応も受けられます。
自社が経営相談にかける予算や相談のしやすさを考慮し、無料か有料かを選択しましょう。
経営相談が無料でできるおすすめの窓口3選
経費をかけることなく適切な経営のアドバイスが欲しい方は、無料で相談ができる相談所がおすすめです。
おすすめの無料相談窓口は、以下の3つです。
- 商工会議所・商工会
- よろず支援拠点
- 金融機関
1つずつ確認しましょう。
無料窓口①:商工会議所・商工会
商工会議所・商工会は、経営者であれば1度は聞いたことがある名前でしょう。
商工会議所・商工会は、地域の産業を発展させるために地域の経営者が集まって相談することができる非営利公共団体です。
無料でも経営に関するさまざまなアドバイスがもらえますが、会員になることで経営の専門家による巡回指導や退職金等福利厚生の支援を受けることもできます。
ただし、会員になると月1万円程度の会費が発生することを理解しておきましょう。
無料窓口②:よろず支援拠点
よろず支援拠点とは、国が設置している中小企業を対象とした無料経営相談所のことです。
各県に1箇所ずつ設置されており、無料で何度でも各分野の専門家に経営に関する相談ができます。
電話・メール・ファックスなどで気軽に相談できますが、各県に1箇所しかないため時間の都合上対面での相談は難しいです。気軽に軽い悩みを相談してみるのが良いでしょう。
無料窓口③:金融機関
地方銀行など金融機関の中にも、経営相談に無料で対応しているところがあります。
銀行などの金融機関はお金に関する専門家であるため、資金繰りに悩みを抱えている場合は金融機関に相談してみることがおすすめです。会社の資本金の基盤を整えるための融資に関する的確なアドバイスがもらえます。
ただし、すべての金融機関が無料で対応しているとは限らないので、事前に無料相談可能か確認してから相談しましょう。
有料で経営相談がでできるおすすめの窓口5選
以下で、有料で経営相談ができるおすすめの窓口を紹介します。さまざまな相談所がある中でも、特におすすめな相談窓口は以下の5つです。
- 弁護士
- 中小企業診断士
- 社会保険労務士
- 税理士
- 司法書士
1つずつ確認しましょう。
有料窓口①:弁護士
弁護士はさまざまな法令に関するスペシャリストであるため、事業を進める中で法律に関する相談をすることが適しています。
弁護士に相談する内容としては、債権回収や労務、クレーム対応などに関する相談がおすすめです。
法律をもとにした的確なアドバイスがもらえるため、自社の損害を抑えることができます。
有料窓口②:中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業が抱える経営課題に対してアドバイスをする専門家です。
経営全般やマーケティングなど幅広い知識を有しているため、起業手続きや資金調達、人事・労務管理などのアドバイスが得られます。
事業に行き詰まった際に経営全般に関するアドバイスがもらえるため、頼りになる窓口です。
有料窓口③:社会保険労務士
社会保険労務士は、社会保険や労務に関する知識を有する専門家です。
そのため、社会保険労務士には労働保険や社会保険、就労規則などの専門的なアドバイスをもらうことができます。
労働や社会保険に関する手続きの代行も行ってくれるため、人材不足でリソースが足りない場合に依頼することも可能です。
有料窓口④:税理士
企業を経営するにあたって、必ず税金に関する知識は必要です。
税理士は税金に関する専門家であるため、納税に必要な知識や資料の作成、節約などに関するアドバイスが受けられます。
税理士には、税務申告や月次決算、経理業務などを任せることが可能です。
税金処理に不手際があった場合、税務調査の対象となる可能性があるので、適切な納税ができるように税理士に依頼することをおすすめします。
有料窓口⑤:司法書士
司法書士は、法律の知識をもとに法律に関する事務処理を行う専門家です。
司法書士に相談できる内容としては、法人登記や不動産登記、商業登記などが挙げられます。
不動産登記や商業登記などの登記業務は司法書士の独占業務です。専門家に登記業務を任せたい場合は、司法書士に相談してみてください。
経営相談に関するQ&A
ここまでは経営相談に関する基本情報やメリットなどについて網羅的に解説してきました。
最後に、経営相談に関してよくいただく質問をまとめました。
Q&A形式で紹介するので、ぜひ参考にしてください。
個人事業主でも経営相談できる?
経営に関する相談は、個人・法人関係なくどなたでも可能です。
むしろ相談相手が少ない個人事業主の方こそ、経営相談所の利用がおすすめです。
予算を考えて、無料か有料どちらにするか吟味して窓口を選びましょう。
大企業と中小企業で経営相談すべき相手は異なる?
大企業でも中小企業でも悩みごとがあれば、最適な改善策を提供してくれる相談所を選ぶことが大切です。
ただし、大企業と中小企業では資本が異なるため、それぞれの予算に合った相談所選びが重要となります。
また、大企業の経営者は中小企業の経営者とは異なり、つながりのある経営者が多くいることでしょう。
大企業の場合、社内で相談しにくい内容は同じ経営者仲間に相談することができるため、内容次第で相談相手は異なります。
経営相談をする際に気を付ける点は?
経営相談所には各分野に詳しい専門家が在籍しているため、より良いアドバイスをくれます。
しかし、最終的にどのように決断するかは経営者自身の判断が重要になります。
アドバイスを全て鵜呑みにするのではなく、最終決定は自社の状況に照らし合わせて経営者自身が行うようにしましょう。
新規事業でよくある経営相談は?
新規事業を創造する際に、多くの経営者の方は経営相談所を利用します。
よくある相談内容としては、以下の4つです。
- 新規事業のアイディアが考えつかない
- 社内のリソースが足りず、人材集めに困っている
- どのようなプロセスで事業を創造すれば良いのか分からない
- 頼りになるパートナーを見つけたい
現在、新規事業の創造を行う中で上記のような悩みを持っている経営者の方は、1度相談所に相談してみることをおすすめします。
多くの経営者が相談している内容であるため、的確なアドバイスがもらえるでしょう。
有料の経営相談の料金相場は?
有料の経営相談所でかかる費用は、相談所によって異なります。
民間の手厚いサポートが受けられる経営コンサルタントにお願いすると、毎月50万円以上の費用が発生する場合もあります。
有料経営相談の料金相場は月10万〜50万程度で、支払う料金によってサポート体制やサービス内容は異なります。
適切なタイミングで経営相談を行い事業の最適化を図ろう
一つひとつの経営判断は、会社の将来に大きな影響を与える重要な決断です。経営陣の判断1つで経営状態を揺るがす危険性もあります。
もしものことを考えて的確な判断ができるように、相談窓口を活用してみてはいかがでしょうか。
客観的な視点でアドバイスをもらうことができるため、より慎重な経営判断を下すことにつながります。
企業経営を行ううえで課題を抱えた際には、適切なタイミングで相談所に相談し事業の最適化を図りましょう。
監修
ククレブ・マーケティング株式会社 CEO
大手事業法人のオフバランスニーズ、遊休地の活用等、数々の大手企業の経営企画部門、財務部門に対しB/S、P/Lの改善等の経営課題解決を軸とした不動産活用提案を行い、取引総額は4,000億円を超える。不動産鑑定士。
2019年9月に不動産Techを中心とした不動産ビジネスを手掛けるククレブ・アドバイザーズ株式会社を設立。
2021年10月にはデータマーケティング事業を主軸としたククレブ・マーケティング株式会社を設立し、現在に至る。
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