企業のSDGsへの取り組み事例20選!有名企業の具体的な取り組みや方法、メリットを分かりやすく紹介!
SDGsとは、2015年に国連総会で採択された「持続可能な開発のための17の国際目標」のことです。
近年、地球規模の環境に関する課題に対して各国の政府や企業がSDGsの取り組みを進めています。
企業がSDGsの取り組みを行うことは地球規模の課題を改善できるだけでなく、企業にとっても多くのメリットを得ることができます。
本記事では、SDGsに取り組む企業の具体的な取り組み事例やSDGsに取り組むことで企業が得られるメリットについて解説します。
また、企業がSDGsに関する取り組みを行う際のポイントについても紹介しているため、SDGsの取り組みを検討している企業はぜひ参考にしてください。
SDGsとは
SDGsとは、2015年9月に国連総会で加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発目標」のことです。
現在、世界規模での環境破壊や貧困、水質汚染などが問題視されています。
SDGsでは17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットを通して、地球規模の社会・環境問題の改善・解決を目指しています。
SDGsの17の目標
SDGsの2030年までに達成すべき17の目標を紹介します。
SDGsでは、2015年から2030年までの15年間で17の目標を達成することで、持続可能な社会の実現を目指しています。SDGsの17の目標は以下の通りです。
1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
3. すべての人に健康と福祉を
4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現しよう
6. 安全な水とトイレを世界中に
7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
10. 人や国の不平等をなくそう
11. 住み続けられるまちづくりを
12. つくる責任つかう責任
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守ろう
15. 陸の豊かさも守ろう
16. 平和と公正をすべての人に
17. パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsの169のターゲット
SDGsが掲げる17の目標には、各目標の課題を理解しやすいように169のターゲットが紐づけられています。
例えば、SDGsが掲げる「目標1:貧困をなくそう」では、以下のターゲットが紐づけられています。
目標1:貧困をなくそう | |
1.1 | 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。 |
1.2 | 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。 |
1.3 | 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。 |
1.4 | 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。 |
1.5 | 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害や脆弱性を軽減する。 |
1.a | あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。 |
1.b | 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。 |
それぞれのターゲットを理解することで、各国の政府や企業が取り組むべき内容がイメージしやすくなります。
農林水産省:「SDGsの目標とターゲット」
企業がSDGsへ取り組む重要性
SDGsが掲げる目標の中でも環境破壊や水質汚染などの環境問題は、企業が取り組むことで大きな改善が期待できます。
例えば、企業が経営を行ううえで必要となる紙の製造には、森林伐採や産業排水などの環境問題が関わっています。それらの改善には、企業による取り組みが必要です。
企業経営において必要な様々な資源の見直し・改善を図ることで、環境破壊や水質汚染などの環境問題を大きく改善することができます。
SDGsの目標を達成するためには、企業による取り組みが重要です。
企業がSDGsに取り組むことのメリット
企業がSDGsの取り組みを行うことは地球規模の課題を改善するだけでなく、企業にとっても様々なメリットが得られます。
企業がSDGsに取り組む代表的なメリットは以下の3つです。
- 企業イメージが向上する
- 新たな事業の創設につながる
- ESG投資家からの資金調達が有利になる
それぞれのメリットを確認します。
企業イメージが向上する
SDGsへ取り組む企業は、顧客や投資家からのイメージが良くなります。
企業のイメージが良くなれば、自社商品の売上増加や投資家からの資金調達にも有利になります。
また、社会・環境問題に取り組んでいる企業として良いイメージを持たれる企業は、求人面でも有利に働くことが多いです。
最近では、社会・環境問題に対する関心が強い若者が多いため、企業イメージを向上することで人材確保にもつながります。
新たなビジネス機会につながる
企業はSDGsへの取り組みを通して、他の企業と接点を持つことができます。
SDGsの活動を進めるなかで、企業間による活動・ノウハウの連携やイベントの共同運営など他社との接点が生まれることがあります。
そのような他社とのつながりは取引に発展する可能性が高いため、1つのビジネスチャンスといえるでしょう。
SDGsの取り組みは、企業に新たなビジネスチャンスをもたらす可能性があります。
ESG投資家からの資金調達が有利になる
近年、環境への取り組みを行う企業に対するESG投資が注目を集めています。
ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字から作られた言葉で、ESG投資家とは、社会・環境問題に取り組む企業に対して積極的に投資を行う投資家のことです。
環境や社会に配慮した取り組みを行う企業はESG投資家の目に留まりやすく、多くの投資を受ける可能性があります。
そのため、SDGsへの取り組みを行うことは、スムーズな資金調達を可能にします。
SDGsへ取り組む有名企業の事例を一覧で紹介
次に、SDGsへ取り組む有名企業の事例を一覧で紹介します。
これからSDGsの取り組みを始める企業は、既にSDGsに関する活動を行っている他社の事例を参考にすることでより良い取り組みにつなげることができます。
SDGsへの取り組みがある代表的な企業は以下の20社です。
- トヨタ自動車
- 日清食品
- TBS
- くら寿司
- 資生堂
- 江崎グリコ
- アート引越センター
- SMBC日興証券
- TOTO
- イケア
- パナソニック
- 花王
- リコー
- アスクル
- キユーピー
- ワンダフルライフ
- リクルート
- ユニリーバ
- 日立製作所
- サントリー
それぞれの企業の取り組みを参考にして、自社の取り組みに活かしてください。
事例1:トヨタ自動車
トヨタ自動車は、1937年に創業された日本の自動車メーカーです。
トヨタ自動車ではSDGsの「目標9:産業と技術革新の基盤を作ろう」に対する取り組みを行っています。
具体的には、自動車の排気ガスによる地球温暖化への悪影響を防ぐため、電気自動車の開発を進めています。
トヨタ自動車では電気自動車をより多くの地域で普及させるため、車両電動化技術の特許を無償で共有する取り組みを行っています。
事例2:日清食品
日清食品は、1958年に創業された日本の食品メーカーです。
日清食品では、SDGsの「目標12:つくる責任、つかう責任」に対する取り組みを行っています。
日清食品は人気商品であるカップヌードルのフタにタブ止めを付けることで、フタ止めシールを廃止する取り組みを行いました。
フタ止めシールの廃止により年間33トンのプラスチック原料の削減に成功しています。
小さな工夫であっても、長期的なスパンで考えると大きな環境改善につながることを示す事例です。
事例3:TBS
TBSは、1951年に創業されたテレビジョン放送事業を行う企業です。
TBSは、日本全国にSDGsを伝えるための啓発活動に力を入れています。
「SDGsの言葉は知っていても、具体的な取り組み内容がわからない」といった人向けに、個人でも取り組める工夫を紹介しています。
また、TBSラジオでは社会課題解決に向けた各企業の取り組みについても紹介しています。
事例4:くら寿司
くら寿司は1977年に創業された日本の大手回転寿司チェーン会社です。
くら寿司ではSDGsの「目標14:海の豊かさを守ろう」、「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」に関する取り組みを行っています。
具体的には、くら寿司の社員が小学校を訪れて、回転寿司という身近な題材から水産業や食をめぐる課題について考える授業を行っています。
また、小学校での授業で使用している教材は、株式会社学研プラスと共同開発した教材です。
くら寿司はSDGsへの取り組みを通して、新たなビジネスパートナーとの関係を構築・強化しています。
事例5:資生堂
資生堂は、1872年に創業された化粧品の製造・販売メーカーです。
資生堂はSDGsの「目標12:つくる責任、つかう責任」の実現を目指す取り組みを行っています。
資生堂は商品を梱包するパッケージを環境にやさしいバイオマス・再生PET・低温燃焼材に変えるなど、様々な工夫を行っています。
資生堂は2025年までに、自社で使用するすべてのパッケージを持続可能な素材を活用したパッケージに変えるというゴールを設定しています。
事例6:江崎グリコ
江崎グリコは、1922年に創業された日本の食品メーカーです。
江崎グリコはSDGsの「目標12:つくる責任、つかう責任」の実現を目指す取り組みを行っています。
具体的にはプラスチックの不法投棄に関する問題に対して、空き容器をもとにリサイクルについて学ぶ小学校への出張授業を行っています。
江崎グリコは授業後に「植物生まれのプッチンプリン」を給食で提供して空き容器を回収し、プラスチックを文房具にリサイクルしたものを子どもたちに渡しています。
事例7:アート引越センター
アート引越センターは、1977年に創業された日本の引越事業を手がける企業です。
アート引越センターでは、SDGsの「目標13:気候変動に具体的な対策を」の実現を目指す取り組みを行っています。
アート引越センターでは、引越し業務を行う際のクリーンディーゼル車の利用や、業務のペーパーレス化の導入といった環境負荷低減に取り組んでいます。
また、従業員にエコバッグ配布を行いビニール袋の削減を図るなど、従業員に向けた取り組みも行っています。
事例8:SMBC日興証券
SMBC日興証券は、2009年に創業された日本の証券会社です。
SMBC日興証券ではSDGsの「目標4:質の高い教育をみんなに」の実現を目指す取り組みを行っています。
2019年から「人生100年戦略室」を開設して、誰もが安心して金融にアクセスできるようなサービスを構築しています。
SMBC日興証券は各世代別に金融リテラシー向上のためのプログラムを提供することで、正しい資産形成や健全な資本市場を実現するための取り組みを行っています。
事例9:TOTO
TOTOは、1917年に創業された衛生陶器をはじめとする住宅設備機器などの製造販売を行うメーカーです。
TOTOではSDGsの「目標6:安全な水とトイレを世界に」の実現を目指す取り組みを行っています。
TOTOでは「日本を世界のショールームに」を合言葉に、世界から日本に訪れる観光客向けに快適で使いやすいトイレ空間を提供しています。
事例10:イケア
イケアは1943年にスウェーデンで創業された世界最大の家具量販メーカーです。
イケアではSDGsの「目標8:働きがいも経済成長も」の実現を目指す取り組みを行っています。
2014年9月から全ての従業員に対して同一労働・同一賃金を適用し、正社員の待遇を保障する人事制度を導入しています。
イケアの人事制度は、男女を問わずキャリアの途中で子供を育てたり、介護をしたり、あるいは勉強を行うために学校へ戻ったりという選択を可能にしています。
事例11:パナソニック
パナソニックは、1935年に創業された日本の大手電機メーカーです。
パナソニックはSDGsの「目標1:貧困をなくそう」の実現を目指す取り組みを行っています。
農村地域で雇用を創出することで「子どもが売られない世界」をつくることを目的とした「かものはしプロジェクト」を行っています。
パナソニックは雇用の創出という切り口から、社会問題へのアプローチを行っています。
事例12:花王
花王は、1887年に創業された日本の大手化学メーカーです。
花王はSDGsの「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」を目指す取り組みを行っています。
花王では、1990年代に育児支援制度を確立することで女性の結婚や産後の働き方改革、育児と仕事の両立を叶えるワークライフバランスを支える施策などを行なっています。
2018年には花王の子会社で女性が社長に就任するなど、女性の活躍を積極的に推進しています。
事例13:リコー
リコーは、1936年に創業された事務機器、光学機器などを製造するメーカーです。
リコーはSDGsの「目標4:質の高い教育をみんなに」の実現を目指す取り組みを行っています。
デジタル印刷機を活用した授業の改善と、教員・行政・保護者・地域の人々の能力強化に重点を置いた教育支援を行っています。
リコーでは、自社商品を通じて子どもたちの学習環境の向上を図っています。
事例14:アスクル
アスクルは、1963年創業の物流センター庫内運営および小口配送業務を担う企業です。
アスクルはSDGsの「目標7:エネルギーをグリーンにそしてみんなに」の実現を目指す取り組みを行っています。
アスクルでは、2025年までに自社で取り扱うエネルギーを全て再生エネルギーに変えることを目標としています。
2018年5月から再生可能エネルギー由来の電力へ切り替える取り組みを進めています。
事例15:キユーピー
キユーピーは、1919年に創業されたマヨネーズなどの調味料を主力としている日本の食品メーカーです。
キユーピーはSDGsの「目標2:飢餓をゼロに」を実現するための取り組みを行っています。
キユーピーではマヨネーズの製造にあたって、卵殻が年間約2.8万トン発生しています。
それら卵殻を天日に干して土壌改良材として農家へ販売することで卵殻を100%有効活用しています。
キユーピーでは商品の生産過程で発生した材料を有効活用することで、社会・環境問題に対する改善活動を行っています。
事例16:ワンダフルライフ
ワンダフルライフは、ヘアサロン経営や美容商材卸売を展開する企業です。
ワンダフルライフではSDGsの「目標14:海の豊かさを守ろう」をはじめ、SDGsを幅広く推進する取り組みを展開しています。
ワンダフルライフの地元である知多半島でのビーチクリーン活動を通して、海の水質を守る取り組みを行っています。
また、海洋プラスチックごみ問題などを説明するためのオリジナルの本を製作し、子どもたちへの読み聞かせを行うことで、海の豊かさを守る取り組みを進めています。
事例17:リクルート
リクルートは、1960年に創業された求人広告、人材紹介、人材派遣、販売促進、ITソリューションなどのサービスを手掛ける企業です。
リクルートはSDGsの「目標10:人や国不平等をなくそう」につながる取り組みを行っています。
リクルートは、就職や進学といった人材事業のみならず、住宅、美容サロン、飲食といった企業クライアントをマッチングさせるサービスを幅広く展開しています。
リクルートでは自社サービスを通して、人々が自分の意思で職業を選べる選択肢を広げる取り組みを進めています。
事例18:ユニリーバ
ユニリーバは、1930年にイギリスで創業された食品・洗剤・ヘアケア・トイレタリーなどの家庭用品の製造・販売メーカーです。
ユニリーバはSDGsの「目標12:つくる責任つかう責任」につながる取り組みを行っています。
具体的には、回収ボックス使用を通じてポイントを貯めるユニリーバのエコポイントプログラムを実施しています。
エコポイントは、エコグッズやLINEポイントと交換できたり、特定の団体に寄付を行えたりと、さまざまなユーザーのニーズに応えています。
事例19:日立製作所
日立製作所は、1910年創業の日本の電機メーカーです。
日立製作所はSDGsの「目標11:住み続けられるまちづくりを」につながる取り組みを行っています。
具体的には、大日本土木株式会社と共同した下水処理のインフラ整備に取り組んでいます。
両企業の技術力の高さを活かすことで社会・環境問題に対するアプローチを行っています。
事例20:サントリー
サントリーは、1899年に創業された日本の清涼飲料水メーカーです。
サントリーはSDGsの「目標12:つくる責任使う責任」につながる取り組みを進めています。
サントリーでは、使用済みのペットボトルを加工することで、再びペットボトルを製造する技術を開発しています。
2030年には全てのペットボトル製品をリサイクル素材や植物由来素材のみで作り上げることを目指しています。
企業がSDGsの取り組むための方法
SDGsの取り組みを検討している企業にとって、何から始めれば良いかわからない人も多いです。
本章では企業がスムーズにSDGsへの取り組みを始める方法をステップごとに解説します。
これから自社でSDGsの取り組みを始める企業は、以下の4つのステップを参考にしてください。
1. メンバー選定・SDGsの知識習得
2. 課題・目標を設定
3. 自社ビジネスへの組み込み
4. SDGs活動・チェックによる改善と報告
各ステップについてそれぞれ確認します。
ステップ1:メンバー選定・SDGsの知識習得
SDGsの取り組みを行うためには、取り組みを進めるメンバーを選定し、SDGsに関する知識を習得する必要があります。
はじめに、社内で社会・環境問題に関心が強い人をピックアップすることで、SDGsに関する取り組みを推進するメンバーを選定します。
次にメンバーがSDGsに関する高い知識を習得できるように、本の支給や研修を行うことで専門的な知識を身に着けます。
ステップ2:課題・目標の設定
社内でSDGsの活動を推進するメンバーを選定し知識を付けた後は、実際に自社で取り組む社会・環境問題を設定します。
取り組むべき問題を設定する際は、地球規模での課題を洗い出すのがおすすめです。
その中から、自社の事業に負担なく取り組めそうな課題を選定します。
次に、選定した課題に対してどの程度の改善を目指すのか、社内の目標を設定します。
目標を設定する際は、抽象的なものにならないように具体的な目標を設定することが重要です。
ステップ3:自社のビジネスに組み込む
SDGsに関する目標を設定した後は、SDGsの活動を自社のビジネスに取り入れる方法を検討します。
SDGsの活動を自社事業に取り入れる際は、自社事業の負担にならないように注意が必要です。
あくまでも自社事業に支障が出ないように注意し、社会・環境問題への改善活動を継続的に行える仕組みを検討してください。
ステップ4:SDGs活動・チェックによる改善と報告
SDGsに関する取り組みを自社のビジネスに取り入れることができたら、いよいよ実践に移ります。
SDGsの取り組み状況を定期的にチェックし振り返ることで、SDGsの取り組みの改善を行います。
最後に、自社で行っているSDGsの取り組みに関する報告を自社のホームページ・ブログ・SNSなどで行います。
企業がSDGsの取り組みを行う際のポイント
SDGsへの取り組みを行う際は、いくつかのポイントを押さえることが重要です。
本章では企業がSDGsへの取り組みを行う際のポイントを紹介します。
無理のない取り組みを行う
社内でSDGsの取り組みを行う際は、無理のない範囲で行うことが重要です。
SDGsへの活動が中心となってしまい自社事業が疎かになってしまうと、継続的な活動が困難になります。
自社の現状・ビジネスモデルを踏まえた上で、無理のない範囲で取り組みを進めることが重要です。
自社事業の特徴を活かした取り組みを行う
SDGsの取り組みを行う際は、自社の強みを活かした取り組みを行うことが重要です。
自動車関連の企業であれば、自動車の設計や生産工程を見直すことで、生産過程で発生する二酸化炭素の排出量の削減といった環境対策を行うことができます。
一方で自動車関連の企業が、自動車とは関連が薄い教育の質向上や飢餓問題への取り組みをイチから行うことは比較的難しいでしょう。
自社が行う事業との関連性を考慮した取り組みを行うことで、効果的な活動につなげることができます。
SDGsへの取り組みに関する本
SDGsに関する学習を進めるうえで、初心者にもやさしいおすすめの本を2冊紹介します。
本による学習は比較的安価で気軽に始めることができるため、SDGsの取り組みを行ったことがない企業の方にもおすすめです。
今回はビジネス向けの2冊を紹介します。
- SDGsが生み出す未来のビジネス
- 2030年を生き抜く会社のSDGs
以下で本の内容について解説していきます。
SDGsが生み出す未来のビジネス
これからSDGsの取り組みを行うことを考えている企業のなかには、何から始めればよいかわからない企業も多いです。
『SDGsが生み出す未来のビジネス』は、身近なところにあるSDGsとビジネスの事例を豊富に掲載しています。
また本書では、企業がビジネス場面でSDGsの活動を進めやすいように、独自のフレームワークについても紹介しています。
本書は、自社事業のなかにSDGsへの取り組みを取り入れたい方に最適な一冊です。
2030年を生き抜く会社のSDGs
「自社事業にSDGsを取り入れるメリットは社会貢献にある」と認識している人は多いです。
実はSDGsの活動を取り入れることは、企業にとって大きなビジネスチャンスにつながります。
『2030年を生き抜く会社のSDGs』では、企業がSDGsの取り組みを行うことのメリットについて紹介しています。
また、本書ではSDGsの基礎的な知識から実践的なアイデア、SDGsを取り入れたビジネスの仕組みづくりについても示されています。
今後、社内でSDGsの取り組みを進めようと考えている経営者におすすめの一冊です。
SDGsへの取り組みに関するQ&A
ここまでSDGsに取り組む企業の事例やSDGsの活動を通して企業が得られるメリットなどを網羅的に解説しました。
最後に、SDGsに関してよくいただく質問をまとめています。
Q&A形式で紹介するので、ぜひ参考にしてください。
日本政府はSDGsに対してどのような取り組みをしている?
2015年にSDGsが採択され、日本では翌年の2016年に「SDGs推進本部」が設置されました。
SDGs推進本部が中心となって有識者などのステークホルダーと共に協議を重ねることで、日本における「SDGs実施指針」を決定しています。
SDGs実施指針の中では、企業や自治体などでSDGsに取り組む場合の8つの優先課題と3つの方向性を示しています。
他にもSDGs推進本部が主催となって、ジャパンSDGsアワードを設立しています。
ジャパンSDGsアワードでは、SDGsへの優れた取り組みを行う企業や団体を表彰することで、日本国内でのSDGsへの取り組みの普及を行っています。
SDGsへの取り組みは私たち個人でも出来る?
SDGsに関する取り組みは個人でも行うことができます。
例えば、自宅で節電を行うことでエネルギー問題に対するアプローチが可能です。
他にも人権問題に対する募金もSDGsの取り組みといえるでしょう。
私たち1人ひとりの取り組みが、地球規模の様々な問題の改善につながります。
日本のSDGsへの取り組みの評価は?
2022年時点、SDGsの達成度を表す国際ランキングでは、日本は163カ国中19位です。
2021年度の国際ランキングと比較すると、順位を1つ落とす結果となりました。
順位を落としたものの、世界的なSDGsへの取り組みの中で、日本のSDGsの取り組みは高く評価されています。
現に、日本ではSDGsが掲げる17の目標のうち以下の3つの項目においては、「達成済み」と評価されています。
- 目標4:質の高い教育をみんなに
- 目標9:産業と技術革新の基盤を作ろう
- 目標16:平和と公正をすべての人に
一方で以下の6つの項目においては、「主要課題が残る」と厳しい評価を受けています。
- 目標5:ジェンダー平等を実現しよう
- 目標12:つくる責任、つかう責任
- 目標13:気候変動に具体的な対策を
- 目標14:海の豊かさを守ろう
- 目標15:陸の豊かさを守ろう
- 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
日本の企業ではSDGsの取り組みにおいて課題が残るものの、年々、社会・環境問題への意識が高まっているといえます。
出典:東京新聞 Web「SDGs「日本企業の方向性、ズレてるのでは…」国連採択から7年、日本の現在地、世界の評価は?」
SDGsの取り組みを通して企業イメージの向上を図ろう
企業がSDGsに関する取り組みを行うことには、企業イメージの向上による売上増加やESG投資家による資金調達の確保など、様々なメリットがあります。
地球規模の環境問題や人権問題を改善するためには、各国の政府や企業が連携することで取り組みを進めることが重要です。
既に社会・環境問題を意識した取り組みを行っている他社事例を参考にすることで、自社にあった取り組みを検討してください。
監修
ククレブ・マーケティング株式会社 CEO
大手事業法人のオフバランスニーズ、遊休地の活用等、数々の大手企業の経営企画部門、財務部門に対しB/S、P/Lの改善等の経営課題解決を軸とした不動産活用提案を行い、取引総額は4,000億円を超える。不動産鑑定士。
2019年9月に不動産Techを中心とした不動産ビジネスを手掛けるククレブ・アドバイザーズ株式会社を設立。
2021年10月にはデータマーケティング事業を主軸としたククレブ・マーケティング株式会社を設立し、現在に至る。
免責事項
当レポートは、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではございません。また、本内容は現時点での判断を示したに過ぎず、データ及び表現などの欠落、誤謬などにつきましては責任を負いかねますのでご了承ください。当レポートのいかなる部分もその権利はククレブ・アドバイザーズ株式会社及びククレブ・マーケティング株式会社に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、無断で複製または転送などを行わないようお願いします。