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中期経営計画の作り方は?経営企画セクションに配属されたら必読の便利情報をプロが簡単解説

中期経営計画の作成でお悩みですね?

本サイトでは、中期経営計画作成の際のポイントを数多くの中期経営計画を分析してきた当社ならではの視点で解説していきます。

 

中期経営計画とは?

中期経営計画とは、経営計画の対象期間を定め、その期間における企業の経営方針や経営数字の目標を定め、企業のステークホルダー(株主、従業員、お取引先等)に示すための経営計画書です。

多くの上場企業では、決算説明会の際に経営方針として公表されることが多いようです。

 

中期経営計画はそもそも必要?

そもそも中期経営計画という言葉自体、日本企業特有であり、欧米の企業ではこうした計画は意味をなさず、環境の変化に応じてスピーディーに経営戦略を投資家に対し公表すべき、という考えもあります。

しかしながら、我が国では依然として中期経営計画は企業の経営方針開示の透明性確保の一手段として多くの企業で作成されているのが現状です。

実際は非上場企業でも中期経営計画を策定・公表している企業もあり、新規公開(IPO)準備前の非上場企業でも策定が必須となりますので、中期経営計画は上場企業のためのものではなく、策定することに意義があれば作成すべきものと言えます。

 

中期経営計画はどのくらいの企業が作成・公表しているのか?

中期経営計画は上場企業が作成するもの、とお考えの皆様も多いのではないでしょうか?

実際に、上場企業において中期経営計画を策定・公表している企業は、上場企業約3,800社のうち、約50%程度(ククレブ総合研究所調べ)となります。

上場企業の中期経営計画策定傾向(2022年版)

 

中期経営計画の目的は?

では、中期経営計画を作成するとして、その目的としては3つの目的があると考えます。

 

1.従業員の意識を明確にするため

2.投資家に対し会社の方向性と数字に対するコミットメントを示すため

3.他社との比較によって自社のポジショニングを知ってもらうため

 

1.については、中期経営計画を達成するためには最終的に当該企業に勤める「従業員」が企業の進む道を知っていなければなりません。

そのため、多くの企業では対外的に公表する・しないにかかわらず、「経営計画」はあるはずです。

自身が勤めている会社がどんな経営方針を持っているかを知らずに日々の業務を行うことは少ないと思いますが、大企業になればなるほど経営のメッセージは全社員に対し伝わりにくくなるもので、その意味でも大企業においては全社員に自社の経営方針を伝えるために中期経営計画を策定している企業が多いようです。

 

2.については、経営の透明性という意味でも「経営計画」を公表し、株式市場においてその進捗を報告していく必要があります。海外ではあまり重視されない傾向のある中期経営計画ですが、日本の投資家にとっては重要な意味をなしています。

ただし、中期経営計画を策定・公表することが重要ではなく、そこで掲げた各種指標等の目標を確実に達成しているか、そのトラックレコードが重要です。

 

3.については、2.と関連する部分もありますが、同業比較において自社のポジショニングを知ってもらうためにも「経営計画」を作成する必要があります。

自社のポジショニングをしっかり把握することにより、得意分野・要強化分野などが浮き彫りになることから、中期経営計画の作成がそのポジショニング把握の第一歩になります。

 

中期経営計画を作成する部署は?

中期経営計画を作成する部署は、多くの場合、「経営企画」系の部署、会社により呼び名は変わりますが、会社の中でも経営を俯瞰的に管轄する部署が多いようです。

<作成部署の一例>

  • 経営企画部
  • 経営戦略部
  • 社長室
  • 経営管理部  など・・・

経営企画部の役割とは?社員の役割から部長の役割、中小企業の経営企画部の役割まで徹底解説!

 

中期経営計画の期間は?

2022年に公表された中期経営計画の策定期間を見てみると、計画期間は、概ね3年という企業が全体の約70%と多く、続いて5年が約20%(いずれもククレブ総合研究所調べ)と、ほぼ大多数の企業が3~5年を中期経営計画の期間としています。

中には10年や30年と言った長期経営計画を持つ企業もあります。

最近の激変する経営環境の中で、超長期の経営計画を立てること自体がそもそも難しく、短期的な視点で3年という企業が多いようです。

上場企業の中期経営計画策定傾向(2022年版)

 

中期経営計画の作り方は?

では、中期経営計画を作成するとして、どのように作成するか?実際のプロセスは以下の通りとなります。ここに示した手順が絶対、という意味ではなく、あくまでも参考としてお示しします。

1.自社が置かれている現状を知る

2.目指すべき「あり方」を考える

3.「現状」と「あり方」にギャップがあることを知る

4.そのギャップを埋めるためにどのようなことをすべきかを考える

5.1~4で考えたことを計画書としてまとめる

6.作成後は計画と実際のギャップが埋まってきているか、計画的に進捗しているかをチェックする

 

1.については、まず自社が置かれている現状として、自社の強み・弱みを分析する必要があります。

こうした自社分析では、SWOT分析が有名です(S:Strength(強み)W:Weakness(弱み)O:Opportunity(機会)T:Threat(脅威))。

この他にも様々な分析方法はありますが、いずれにしても自社の強みと弱点を徹底的に洗い出すことが必要です。

 

2.については、目指すべき「あるべき姿」を考える必要があります。

これは、実現可能なレベルの「あるべき姿」から少し背伸びした「あるべき姿」など、企業によって考え方はそれぞれです。

いずれにしても達成できない目標は立てるべきではなく、1.で分析した様々な環境から設定した期間内において実現可能な「あり方」を考える必要があります。

 

3.については、1.と2.で把握したポイントにどのくらいの「差(ギャップ)」があるかを洗い出します。

このギャップが大きいほど、達成までの期間がかかることとなります。

逆にギャップが小さい場合には、2.の考え方が適切なのか(ギャップが小さいことが悪いことではないので、各社における中期経営計画の達成のコミットメントへの想いによるものと考えます)、最終的に判断していきます。

 

4.については、で把握したギャップを達成するために、何をいつまでに、どのような手段で達成していくのかを考えていきます。

例えば、売上であれば、どのような手段で売上を獲得できるのか、利益であれば、どのように利益率を上げていくのか、経営指標であれば、どのようなバランスシートを意識しているのか、など具体的にその達成手段の根拠を検討する必要があります。

最近では、ROE(総資本利益率)のみならず、ROIC(投下資本利益率)などの指標も投資家から重視される傾向もあり、こうした指標を目標にする際には、より具体的にその達成手段を記載していく必要もあります。

経営指標に興味がある方はこちらがおすすめ

ROICとは?メリットやROE・ROA・WACCとの違い、ROIC経営のポイントも解説

 

5.ここまで整理してきたことを計画書としてまとめていきます。

中期経営計画の作成には、数多くの部署の協力が必要ですが、最後はこの多くの情報をいかに簡潔にまとめるか、経営企画系部署の腕の見せ所とも言えます。

 

6.中期経営計画を公表したら終わりではありません。

刻々と変化する経済情勢の中、経営方針もそれに合わせ見直しが必要なことも多いです。中期経営計画公表後は、定期的に計画と実績のギャップを埋めていけているか、見直しをかけ、必要によっては中期経営計画のローリングも必要となってきます。

ローリングとは、中期経営計画の策定方法の一つで、環境の変化に応じて毎年計画の見直しを行うこと言います。

作ったら作りっぱなしにしないことも、中期経営計画の作成では重要となってきます。

 

中期経営計画の作成に必要な情報はどう集める?

中期経営計画の作成に当たっては、実際に公表されている他社の中期経営計画書を見る方もいらっしゃるでしょう。

ただ、実際に作成する当事者となった際、例えば同業の中期経営計画を探すといっても、インターネット検索でひとつずつ…大変な労力になりそうです。

そこで、中期経営計画作成に際し便利なのが、「ククレブ・ゲートウェイ(CCReB GATEWAY)」です。

CCReB GATEWAYなら、会員登録(無料)をすれば、業界における中期経営計画のトレンドをワードクラウドで表示してくれるだけではなく、当該ワードに言及している企業の中期経営計画書もダウンロードすることができることから、中期経営計画作成にあたっての自社の方針やトレンドの取り込みなどを簡単・効率に行うことができます。

「中期経営計画の作成担当になったけど、どこから手をつけていいか分からない…」

そんな場合には、CCReB GATEWAYを活用してみてください。

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監修

ククレブ・アドバイザーズ株式会社 代表取締役
ククレブ・マーケティング株式会社 CEO
宮寺 之裕
大手リース会社、不動産鑑定事務所を経て、J-REITの資産運用会社の投資部門にて企業不動産(CRE)に携わる。
大手事業法人のオフバランスニーズ、遊休地の活用等、数々の大手企業の経営企画部門、財務部門に対しB/S、P/Lの改善等の経営課題解決を軸とした不動産活用提案を行い、取引総額は4,000億円を超える。不動産鑑定士。
2019年9月に不動産Techを中心とした不動産ビジネスを手掛けるククレブ・アドバイザーズ株式会社を設立。
2021年10月にはデータマーケティング事業を主軸としたククレブ・マーケティング株式会社を設立し、現在に至る。