ガバナンスとは?言葉の意味を簡単に解説!強化するメリットや有名企業の事例も紹介
企業経営を行うにあたり、経営陣や従業員の不祥事は事業に大きな不利益をもたらします。
起こり得るリスクを回避するために、企業内でガバナンスの強化は必須です。
本記事では、ガバナンスが効いている状態のメリットや、有名企業のガバナンスの強化事例を一覧で紹介します。
ガバナンスを強化して健全な企業経営を行うための参考にしてください。
ガバナンスの意味とは?言葉の意味を簡単に解説
「ガバナンス」という言葉は企業経営の場面で度々使用されますが、具体的な意味をご存知でしょうか。
まずは、ガバナンスの意味や役割、企業で求められるようになった背景などを確認していきましょう。
ガバナンスとは?
ガバナンスとは日本語で、健全な企業経営を行うための「管理体制」や「内部統治」を指します。
情報化社会の現代では企業の不祥事は瞬く間に社会全体に広まり、会社に大きな不利益をもたらします。
不祥事を未然に防ぐため、企業では「管理体制」や「内部統治」の強化を最重要課題として位置づけています。
ガバナンスが企業に求められる背景
企業内でガバナンスが求められるようになった原因に、バブル経済崩壊後に日本の多くの大企業で不祥事が発覚したことがあります。
バブル経済崩壊後の日本では、不正経理やパワーハラスメント、製品の品質チェックの不正、長時間労働による過労死などの様々な不祥事が明るみに出ました。
また昨今のメディアの発達に伴い、大企業のみならず中小企業の不祥事も取り上げられるようになったことも、企業でガバナンスが強化されている1つの原因です。
なお、企業で求められるガバナンスのことを「コーポレートガバナンス」といいます。
上場企業はコーポレートガバナンスの強化が必須
日本を代表するような企業で不祥事が相次いで起こることで、日本経済が混乱するリスクが高まります。
そのため、2004年に東京証券取引所によって「上場会社コーポレート・ガバナンス原則」が公表されました。
また、2015年にはコーポレートガバナンス実現のための原則である「コーポレートガバナンス・コード」が金融庁から公表されました。
「コーポレートガバナンス・コード」の公表によって、各上場会社は原則にしたがいコーポレートガバナンスの強化が求められるようになりました。
- プライム市場・スタンダード市場の上場会社:コードの全原則
- グロース市場の上場会社:コードの基本原則
参考:金融庁「市場区分の見直しにおけるコーポレート・ガバナンスに関する議論の状況について」
ガバナンスの類義語との意味の違い
ガバナンスにはコンプライアンスやリスクマネジメントなど似た意味を持つ類義語が存在します。
ガバナンスの意味を正しく理解できるよう、各類義語との意味の違いを以下で確認しましょう。
類義語①:内部監査
内部監査とは、企業がガバナンス通りに健全な企業経営を行っているか監視・指導・支援を行う部門のことです。
ガバナンスは「健全な企業経営を行うための仕組み」のことを指しますが、内部監査は「ガバナンスの有効性を客観的に評価してコントロールする役割」のことを指します。
内部監査は企業内でガバナンスに沿った体制を整えるために欠かせない部署です。
類義語②:コンプライアンス
ガバナンスという言葉は「支配する・管理する」という意味を持つのに対して、コンプライアンスとは「従う」という意味を持ちます。
具体的には、ガバナンスは会社としての管理体制を示し、コンプライアンスは経営者や従業員が守るべきルールのことを指します。
最も混同されやすい言葉であるため、注意してください。
類義語③:リスクマネジメント
リスクマネジメントとは、会社が事前に想定されるリスクに対して前持った対策を行うことで、企業経営への悪影響を防ぐ管理手法のことです。
あらかじめ、想定される経営リスクに備えた体制を整えることで、何かしらのトラブルが発生した場合でも被害を最小限に留めることができます。
リスクマネジメントは、リスクを最小限に抑えて健全な企業経営を行うために必要不可欠な機能の1つだと言えます。
社内でガバナンスが効いていない際のデメリット・リスク
社内でガバナンスが徹底されていなければ、企業経営を行う際に様々なデメリットやリスクが生じる可能性が高まります。
具体的なデメリット・リスクとしては、以下の3つです。
- 企業イメージの低下
- 企業利益の減少
- グローバル化への遅れ
ガバナンスが効いていないことで発生するデメリット・リスクについて、以下で詳細に解説します。
企業イメージの低下
企業内でガバナンスが効いていないことによる、最も大きなデメリットは、企業イメージが低下することです。
SNSが普及した昨今、社内で不祥事が発生した際に瞬く間に外部に広まります。
不祥事により低下した企業イメージは、企業にとって利益損失につながるため注意が必要です。具体的な現象としては以下のような損失があります。
- 消費者が自社商品と他社商品を比較した際に、企業イメージから他社商品を選択する
- 取引先からの契約打ち切り
企業利益の減少
ガバナンスが徹底されていない企業は、不祥事が原因で最終的な企業利益の減少につながる恐れがあります。
前述した通り、企業の不正が明らかになることで、会社のイメージが低下し、その影響から企業の売上までもが低下します。
また、パワハラやセクハラなどが日常的に発生する職場では、従業員のやる気が上がらず生産性の低下や離職率の増加にも繋がります。
企業の最終的な利益拡大を目指すためにも、社内のガバナンスの徹底は重要だと言えるでしょう。
グローバル化への遅れ
今後ますますグローバル化が進む中で、自社の体制を整えることができない企業が海外へ進出するのは困難です。
ガバナンスが効いていない企業では、社内の統制を取ることができないため、企業としての生産性も上がりません。その結果、同業種との競争に勝つことができず、結果的に海外への進出が遅れてしまいます。
また、グローバルマーケットは、日本国内でのマーケットとは異なり、使用する言語が異なるため、これまで以上に企業の不祥事に対するリスクが高まります。
このことから、ガバナンスが徹底されていない企業は海外進出が難しく、仮に海外へ進出したとしても、ガバナンスが機能せず不祥事が発生する可能性が高まります。
コーポレートガバナンスが効いていない企業の事例
これまでガバナンスが徹底されていないことによるデメリットを見てきました。
では実際に、コーポレートガバナンスが効いていない企業はどのような事態に陥るのでしょうか。
これまで、社内の不祥事によって事業に大きなデメリットを受けた企業の事例を確認しましょう。
事例①:自動車製造会社
ある自動車製造会社は、約20年にわたって、自動車の排出ガスや燃料に関するデータを改ざんしていたことが明らかになりました。
これまでに製造された車のうち10万台以上に搭載されたエンジンについて、「基準をクリアするための不正」が企業内で行われていました。
不祥事が発覚した後、その対応として不正が指摘された車数万台がリコール対象となり無償での修理や改修を行っています。
この自動車株式会社の排ガス・燃料データの不正報告の背景には社内でのパワハラ体質が影響を及ぼしていたとされています。
事例②:芸能事務所
ある芸能事務所の週刊誌の報道において、闇営業問題が取り上げられました。
有名芸能人が反社会勢力を相手にした営業を行なっていたことが明らかになり、参加していた芸能人が処分されています。
有名芸能人が関わっていたこともあり、連日のように各種メディアで取り上げられ問題視されました。
社内でガバナンスが効いていることのメリット
企業内でコーポレートガバナンスを徹底することで以下の4つのメリットを受けることができます。
- 企業イメージの向上
- 企業の製品やサービスの向上
- 投資家からの資金調達強化
- 企業の持続的な成長ができる
以下でそれぞれの詳細を確認しましょう。
企業イメージの向上
ガバナンスが強化された企業は、顧客や消費者から良いイメージを持たれやすくなります。
企業イメージが向上することで、顧客の新規開拓や売上の増加にも繋がります。
また、企業イメージが向上することで、労働者確保の面で有利に働く場合があります。
企業の製品やサービスの向上
企業のガバナンスに対する意識を高めることで、製品やサービスの質向上につながります。
企業は、事業を進める中で利益を求める必要がありますが、必要以上のコストカットは製品やサービスの質の低下につながります。
ガバナンスが効いている企業では、不正や商品に支障をきたす過度なコストカットに対して厳しく対応されます。
そのため、高い品質の製品やサービスを顧客へと提供できるのです。
投資家からの資金調達強化
クリーンで透明性の高い企業は、投資家からの信頼を得やすく資金調達の面で大きな恩恵を受けることができます。
近年では社会や環境に配慮したESG投資が活発に行われています。
今後、ガバナンスが強化された企業はますます注目を集めることができ、事業を拡大するための資金調達を実現することができるでしょう。
企業の持続的な成長が期待できる
企業内でガバナンスを徹底することにより、企業の持続的な成長を期待することができます。
企業内でガバナンスが徹底されておらず、製造ミスや不正などによって商品の再回収が必要になれば、追加で費用がかかり、その分企業としての成長が遅れてしまいます。
また、不祥事が大きな問題となり、訴訟問題や著しい売上の低下につながることで倒産のリスクも生じます。
企業として、持続的に成長していくためにもガバナンスの強化は必須です。
有名企業のガバナンス強化事例一覧
コーポレートガバナンスを強化するためには、これまでの有名企業の事例を参考にすると良いでしょう。
業種ごとにどのような不祥事が起こりやすいかを理解しておくことで、未然にトラブルを防止することができます。
実際に、積極的にガバナンス強化に取り組んでいる企業の例を10社紹介します。
事例①:大和ハウス工業株式会社
大和ハウス工業株式会社は、国内外のグループ全体を通してガバナンス強化のためにいくつかの基本方針を定めています。
具体的な取り組みとして、以下の3つの取り組みが実施されています。
- 社外取締役比率を3分の1以上になるようにして会社の透明性を図る
- 外部の法律事務所を窓口とする通報先の設置
- リスク・コンプライアンス教育の徹底
これらの取り組みを通じて、持続的かつ安定的な企業経営に努めています。
事例②:花王株式会社
花王は2030年までにグローバルな視点で存在感のある『Kao』となることを目標として掲げています。
花王は、グローバル企業として認められるために、コーポレートガバナンスの達成は必須であると考え取り組んでいます。
具体的な取り組みとして、健全な体制づくりのために内部統制システムの整備・運用を行うことで、不祥事を防止するための工夫を行っています。
また、花王では企業に関わるステークホルダーの意見に耳を傾けて、ガバナンスコードのあり方の検証を随時行なっています。
事例③:株式会社レオパレス21
株式会社レオパレス21は、コーポレートガバナンスの強化を重要な経営課題として位置付けています。
具体的な取り組みとして、ガバナンス強化のための教育研修の実施や内部通報制度の制定などがあります。
また、『多様な人材の活躍推進』の取り組みとして、女性社員を対象としたキャリア啓発研修や育児・介護の両立支援制度の導入など社内での働きやすさを高める取り組みがあります。
事例④:キリンホールディングス株式会社
キリンホールディングス株式会社は、「2027年目指す姿」を策定し透明性の高いガバナンス強化に力を入れています。
具体的な取り組みとして、ガバナンス体制の強化のためには、自社に関わる各ステークホルダーとの関係性強化に力を注いでいます。
「2027年目指す姿」では、株主との積極的な意見交換や、事業に関する説明責任を果たすことを明示しています。
また、多様性があり高い専門スキルを持った人材を社外経営者として招くことで、透明性の高いガバナンスの確立に努めています。
事例⑤HOYA株式会社
HOYA株式会社は、メガネレンズや医療用内視鏡などの製造メーカーです。
ガバナンス強化のために、取締役会の半数以上が社外取締役に選ばれています。
それによって、経営者や経営幹部は常に社外取締役に監督されている自覚を持つことができ、不正や不祥事の防止に繋がっているのです。
この取り組みが評価されて、2016年には日本取締役協会の主催の『コーポレート・ガバナンス・オブ・ザ・イヤー』を受賞しました。
事例⑥:ピジョン株式会社
ピジョン株式会社は、監査役による厳格な適法性監査を基礎とした企業経営に取り組んでいます。
2021年には、約半数が社外取締役からなるガバナンス委員会が設置され、健全な業務を行うための社内調査と指導に徹しています。
このように、ピジョン株式会社は社外からのモニタリングを強める仕組みを作りガバナンスの強化に努めてきました。
その結果、ガバナンス強化に対する体制が政府に評価され「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2021」を受賞しました。
事例⑦:ワタミ株式会社
ワタミ株式会社では、企業倫理の確立や経営の透明性の向上に取り組んできました。
具体的な取り組みとして、従業員のマネジメント状況などを多角的に把握するため、事業毎に開催する月次報告会の中で、KPIの確認やレビューを実施しています。
これにより、社内状況を瞬時に把握でき、課題の早期解決、ガバナンスの強化に繋げています。
事例⑧:テルモ株式会社
テルモ株式会社は、ガバナンス強化のために指名委員会が設置されています。
指名委員会は社長や会長を選出する役割を担っており、発言権の強い社長や会長のワンマン経営になることを防いでいます。
また、客観的な人事選出ができるため、透明性の高いガバナンス構築が可能です。
事例⑨:株式会社ダイフク
株式会社ダイフクは、ガバナンス強化において先進的な取り組みが評価されて、2021年に「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー」経済産業大臣賞を受賞しました。
受賞にあたって評価されたポイントは、以下の3つです。
- 現社長は、指名委員会に相当する諮問委員会における検討など、客観性を重視したプロセスを経て選任されている
- 現社長は社長就任後、プロセスの透明性・合理性・客観性強化のために、諮問委員会の構成を社外者中心にするなど、社長の選任プロセスの改善を進めている
- 社外の目・声を重視すべく、社外取締役との意思疎通や情報共有を行いつつ、中長期的な視点に立ったグローバルな経営を行った結果、高い業績をあげている
コーポレートガバナンス強化のための、これらの観点が評価されています。
事例⑩:ソニーグループ株式会社
ソニーグループ株式会社は、コーポレートガバナンスの概念が日本で普及する以前から、社内の体制強化に力を入れてきました。
現在の取締役会は11人中9人が社外取締役であり、指名委員会は全員が社外メンバーで構成されています。
外部からのモニタリングや客観性を重視して、透明性のある企業経営を行なっています。
コーポレートガバナンス担当者や人事が取り組むべき仕事
ここまで、ガバナンスが効いていない企業や有名企業の強化事例を確認してきました。
しかし、初めてガバナンス強化の取り組みを行う企業にとって、何から手をつけるべきかわからないことも多いです。
社内のコーポレートガバナンスを徹底するための手順として以下の4つのステップを参考にしてください。
- 事業の透明化と法務人材の確保
- 社内でコーポレートガバナンスの意識を浸透させる
- 内部の調査を厳しくする
- 社会取締役など客観的なモニタリングを導入する
1ステップずつ順番に確認していきましょう。
事業の透明化と法務人材の確保
事業形態によっても、起こりやすい不祥事や発生しやすい課題は異なります。
コーポレートガバナンスを強化するために、まずは社内で行われている業務を洗い出して透明化する必要があります。
それぞれのプロセスで、どのような働きがなされており、どのような意思決定が行われているのかを知っておく事でガバナンス強化に役立ちます。
また、事業を進めるうえで労務や法務に関する知識は必須です。
「知らなかった」では済まされない事案が起こらないよう、法令を正しく守り業務を実施する必要があります。
社内でコーポレートガバナンスの意識を浸透させる
経営陣やコーポレートガバナンス担当者がどれだけ不祥事に備えた対策・体制を整えたとしても、従業員がガバナンスについて正しく理解していなければ対策による効果はありません。
コーポレートガバナンスの効果をきちんと発揮させるためには、社員にコーポレートガバナンスの内容を浸透させる必要があります。
週に1度朝礼でコーポレートガバナンスを確認したり、日頃から従業員の目に留まるように掲示物を貼ったりする工夫を行いましょう。
内部調査を厳しくする
コーポレートガバナンスを浸透させるだけでは、全ての不祥事を防ぐ事はできません。
自社のルールに基づいて業務が遂行されているか監視・指導などの内部調査を行うための仕組み作りが重要です。
内部調査を厳しくすることで、社内でのコーポレートガバナンス違反を未然に防ぎ、不祥事が判明した際に即座に対応することができます。
社外取締役など客観的なモニタリングを導入する
会社のコーポレートガバナンスを徹底するためには、外部からの監視の目も重要な役割を果たします。
社内のみでコーポレートガバナンスの強化・管理を行なっている場合、権力がある人の意見が通りやすいなど、権力者の言動が否定されにくく不正へ繋がるケースがあります。
社外取締役を数名設置して、客観的な目で企業経営をモニタリングしてもらうことでガバナンスの乱れを防ぐ事ができるのです。
企業に求められるガバナンスを学ぶためのおすすめの本
これから、自社内でガバナンスを導入・徹底しようと考えている企業は本を用いた学びがおすすめです。
企業に求められるガバナンスの学習におすすめの書籍は以下の3冊です。
- これならわかるコーポレートガバナンスの教科書
- サステナブル経営とコーポレートガバナンスの進化
- コーポレートガバナンス基本と実践がよ〜くわかる本
以下で1冊ずつ、内容を確認していきます。
これならわかるコーポレートガバナンスの教科書
コーポレートガバナンスを徹底するためには、単に企業の仕組みを整えるだけではいけません。
コーポレートガバナンスの本質を捉える事で、企業の体制を整備することができるようになるのです。
『これならわかるコーポレートガバナンスの教科書』は、コーポレートガバナンスを整備する仕事をしている方向けに、なぜガバナンスを整える事が重要なのかを分かりやすく解説しています。
コーポレートガバナンスを整える現場で働く方の課題解決策も示されているため、実践的な知識が学べる1冊です。
サステナブル経営とコーポレートガバナンスの進化
2022年4月に東京証券取引所の市場区分が大きく変更となりました。
環境や社会への取り組みを評価するESGの観点が不可欠なものとなり、企業には更なるコーポレートガバナンスの強化が求められています。
『サステナブル経営とコーポレートガバナンスの進化』は、コーポレートガバナンスを初めて学ぶ人にもわかりやすい表現で解説されている本です。
ガバナンスの徹底のみならず、企業のマネジメント法についても学ぶことのできる1冊です。
コーポレートガバナンス基本と実践がよ〜くわかる本:事例に見る日本の企業統治の現在
『コーポレートガバナンス基本と実践がよ〜くわかる本:事例に見る日本の企業統治の現在』は、コーポレートガバナンスを初めて学ぶ方向けの入門書です。
コーポレートガバナンスについて基礎的な内容を学ぶ事ができます。
書籍内では、図解や事例を用いてわかりやすく解説されているため、これからコーポレートガバナンスの管理に携わりたい方におすすめの1冊です。
ガバナンスに関するQ&A
ここまで企業経営に重要な役割を果たすガバナンスについて強化するメリットや強化事例を網羅的に解説してきました。
最後に、ガバナンスに関してよくいただく質問を以下でまとめます。
Q&A形式で紹介するので、ぜひ参考にしてください。
グローバルガバナンスとは?
グローバルガバナンスとは、1つの国だけでは解決できないような社会的な問題を、全世界で解決を目指すための政治的相互作用を示します。
世界の国々は環境保全や地域格差、飢餓やエネルギー問題など様々な課題を有しています。
これらの壮大な課題は1つの国の取り組みでは解決が難しく、全世界を通して体制作りをすることが期待されています。
情報セキュリティガバナンスとは?
戦略的な企業経営を行う上で、市場調査や消費者分析などデータの取り扱いは企業経営において重要です。
しかしながら、使用するデータを不正なく活用するためには規程に則ってデータを扱う必要があります。
情報セキュリティガバナンスとは、企業で使用するデータをルール通りに正しく使用できるよう、管理するための取り組みです。
自治体にもガバナンスは必要?
ガバナンスは企業のみならず、自治体にとっても重要です。近年では、多くの自治体職員による不祥事がニュースに取り上げられています。
自治体職員による不祥事を避けるために、自治体にもガバナンスの強化は必須と言えます。
非上場企業にもコーポレートガバナンスは必要?
未上場の企業は、金融庁が公表したコーポレートガバナンスコードの対象外です。
しかしながら、コーポレートガバナンスの徹底は、資金調達や企業イメージの向上など企業経営を行ううえで多くのメリットをもたらします。
コーポレートガバナンスの徹底により会社の社会的信用を高める事で、企業イメージの向上や売上の増加にもつながるため、未上場の企業であってもコーポレートガバナンスの強化に取り組むべきと言えるでしょう。
社内のガバナンスを強化して健全な企業経営を図ろう
企業の継続的な成長や存続のために、ガバナンス強化は重要です。
今後、さらに事業を拡大していきたい企業や、円滑な企業経営を行いたい経営者は、ガバナンス強化のために本記事を参考にしてください。
社内外にクリーンな企業イメージを定着させて、より良い企業を目指しましょう。
監修
ククレブ・マーケティング株式会社 CEO
大手事業法人のオフバランスニーズ、遊休地の活用等、数々の大手企業の経営企画部門、財務部門に対しB/S、P/Lの改善等の経営課題解決を軸とした不動産活用提案を行い、取引総額は4,000億円を超える。不動産鑑定士。
2019年9月に不動産Techを中心とした不動産ビジネスを手掛けるククレブ・アドバイザーズ株式会社を設立。
2021年10月にはデータマーケティング事業を主軸としたククレブ・マーケティング株式会社を設立し、現在に至る。
免責事項
当レポートは、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではございません。また、本内容は現時点での判断を示したに過ぎず、データ及び表現などの欠落、誤謬などにつきましては責任を負いかねますのでご了承ください。当レポートのいかなる部分もその権利はククレブ・アドバイザーズ株式会社及びククレブ・マーケティング株式会社に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、無断で複製または転送などを行わないようお願いします。