経営企画に向いている人の特徴とは？求められるスキルや資格、経験、キャリアパスを詳しく解説
経営企画は、企業成長の根幹を担う、非常にやりがいのある仕事です。そのため、経営にまつわる幅広い知識やスキルも求められます。
そこで今回は、経営企画に向いている人の特徴や求められるスキル、役立つ資格や経験、その後のキャリアパスなどを詳しく解説します。
経営企画の役割とは
経営企画とは、市場調査や社内体制を基に自社の企業戦略を立案・策定・管理をする仕事です。
経営企画の具体的な担当業務は企業により異なりますが、会社の中長期成長戦略を策定したり、経営計画や新規事業の企画を行ったりします。
また、経営戦略を実現するために、経営資源をどのように分配するか部門間の調整を担当したり、取引先などのステークホルダーとの調整をしたりすることもあります。
このように企業経営の根幹を担う仕事になりますので、規模の小さな中小企業やスタートアップ企業などでは、社長自らが経営企画を担当する場合もあります。
そのため大手企業においてはいわゆる「花形部署」としてのイメージが強く、昇進・昇格やキャリアアップのために目指す方も少なくないのではないでしょうか。
経営企画の役割については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
経営企画と事業企画の違い
経営企画と似た業務を担当する仕事として、事業企画がありますが、これらは違う仕事です。
経営企画は企業全体の戦略策定をする仕事であるのに対し、事業企画は事業単位での戦略を策定します。
経営企画の仕事内容
経営企画の主な仕事内容として、以下の3つが挙げられます。
・経営管理
・新規事業企画
・コーポレートガバナンスやIRへの対応
以下で、それぞれの仕事内容の詳細を解説していきます。
経営企画の仕事内容①：経営管理
経営企画の主な仕事は、この経営管理です。経営管理とは、企業全体の成長戦略を策定し、それを管理・実行していくことです。
まずは、各部門が保有する営業データや競合他社の動向など、あらゆるデータを回収し、分析します。
その上で、自社が目指すゴールを達成できるような経営方針を具体的な目標や戦略などの中長期的な経営計画として立案します。立案した経営計画を実務レベルに落とし込み、実行を促すことも経営企画の仕事です。
そして、実務へ落とし込んだ行動計画がきちんと実行できるよう、管理することも仕事です。評価や改善を繰り返し、目標達成を目指します。
経営企画の仕事内容②：新規事業企画
新規事業の企画も経営企画の仕事です。
経営企画は、会社の予算や人材の能力を考慮したうえで、自社の新たな収益の柱となる事業を創造します。
これまで参入していない新規分野での事業参入は、マーケットの状況を客観的かつ的確に捉える丁寧な計画が必要です。
また、経営企画は、新規事業が順調に進んでいるかを分析し、事業が課題に直面した際には課題の解決策を提案する役割も担っています。
事業の創造は、会社の今後の収益拡大のために重要な仕事であり、事業アイデアの発想力が求められる業務です。
経営企画の仕事内容③：コーポレートガバナンスやIRへの対応
経営企画は、自社が社会の中で適切に経済活動を行っていくために必要な業務も担います。それが、コーポレートガバナンスやIRへの対応です。
コーポレートガバナンスとは、企業が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会などの立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速な意思決定を行うための仕組みを指します。
自社のイメージや信頼感を守るためにコーポレートガバナンス強化を担当したり、株主や投資家に対して自社の業績や財務状況などの情報を提供するIR業務を担当したりする企業もあります。
経営企画に向いている人の特徴や求められるスキル
経営企画には、どのような人が向いているのでしょうか。ここからは、経営企画に向いている人の特徴やスキルを4つご紹介します。
経営企画に向いている人①：論理的思考や分析能力が高い人
経営企画は、先述の通りデータをもとに分析することが多い仕事です。
そのため、論理的な思考力や分析力を持っている人は経営企画の仕事に向いているといえるでしょう。
経営企画に向いている人②：プレゼンテーション能力が高い人
経営企画は、経営状況や将来的な見通しなどを経営層に提案したり、計画したプランを他部署と共有しながら推進したりする機会が多くあります。
そのため、ロジカルに説明することができたり、人を動かすようなプレゼンテーション能力を持っていたりする人は、経営企画の仕事に向いています。
経営企画に向いている人③：コミュニケーション能力が高い人
経営企画は、コミュニケーション能力が求められる仕事です。
策定した戦略を実行に移すために、各部門と連携したり、経営層と社内の架け橋となったり、調整役としての役割も大きいからです。
そのため、プレゼンテーション能力が高いだけではなく、相手との関係性づくりや調整がうまくできるコミュニケーション能力が高い人は、経営企画の仕事に向いていると言えます。
経営企画に向いている人④：財務・会計知識がある人
経営企画の仕事は、企業の経営戦略を考える重要な仕事です。
そのため、決算書や損益計算書など、自社の経営状況を知るためにも財務諸表を読みこなす必要があります。
経営企画の仕事をする上で、財務・会計の知識は必須といえるでしょう。
経営企画の仕事に求められる経験やキャリア
経営企画の仕事をする上で、あると望ましい経験やキャリアは以下の3つが挙げられます。
・数字に関わる仕事や活動をしてきた経験
・グローバルな仕事や活動をしてきた経験
・周囲を巻き込んだ仕事や活動をした経験
それぞれの経験やキャリアが、どのように経営企画の仕事に活きるのか解説します。
数字に関わる仕事や活動をしてきた経験
経営企画の仕事は、市場調査のためにデータの分析や予算管理など数字を取り扱うことが多いです。
そのため、数字を扱う職種によって培われてきた経験は、経営企画部に配属された後も活かすことができるでしょう。
グローバルな仕事や活動をしてきた経験
近年、海外への進出、取引強化などグローバルな展開を考える会社が増えています。
海外との取引には高い語学力が必要となるため、グローバルな仕事や経験が豊富な方は、経営企画に配属された後も即戦力として仕事に打ち込むことができます。
特に、海外での滞在経験があり、ネイティブレベルで外国語を話せる方は経営企画でも重宝されるでしょう。
周囲を巻き込んだ仕事や活動をした経験
経営企画は、会社の各事業に目を配り事業の遂行・管理を行います。
そのため、会社全体を見通して、各事業を取りまとめるためのリーダーシップが必要です。
これまで周囲を巻き込んで何かを達成した経験がある方は、経営企画部に配属された後も自身のリーダーシップを活かすことができます。
特に、プロジェクトチームのリーダー経験を積んできた方は、経営企画部配属後も即戦力として活躍できるでしょう。
経営企画の仕事に役立つ資格
経営企画の仕事をするのに、資格は必須ではありません。しかし、企業経営に関する知識を有しておくことで、役立つケースはあります。
特におすすめの資格は、「MBA（経営学修士）」、「公認会計士」、「中小企業診断士」の3つです。それぞれ詳しく解説します。
MBA（経営学修士）
MBAは、経営状況の分析や組織運営など、会社の経営に関する問題点を解決に導く知識の習得を示す学位です。経営戦略やマーケティングなど、経営スキルを身につけることができます。
公認会計士
公認会計士は、会計・税務・財務に関する知識を理解することで取得できる資格です。取得することで、各事業への予算の分配や財務管理を行うことができ、経営企画に配属させた際に会計面で力を発揮することが可能です。
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業が抱える経営課題に対してコンサルティングを行うための資格です。自社の経営課題を的確に分析することができ、経営企画として力を発揮することができるでしょう。
経営企画の仕事に転職後の将来性やキャリアパス
経営企画は、経営戦略・事業創造・事業管理など、経営企画に関する業務を経験することでビジネスパーソンに必要な幅広い能力を総合的に身につけることができます。
経営企画で得た能力は、他の職域でも有効に活用できるため着実にキャリアを積み上げることが可能です。
また、経営企画は会社の将来を担うためエリートやエースが配属される、いわゆる「花形部署」だと言われることが多い部署です。
経営陣からの信頼が厚い人が配属される傾向が高いため、将来的に経営幹部や役員へと昇進・昇格できる可能性があります。
将来的に会社の経営を担うポジションに就きたい方、社内での大きな出世を狙っている方は、経営企画の仕事を経験しておくことで、明るいキャリアパスが期待できるでしょう。
未経験でも経営企画の仕事に就くことはできるのか？
経営企画職に就職・転職したいと考えていても、現時点で経営企画に関わった経験を持っていないビジネスパーソンの方もいるかもしれません。
基本的に、未経験でも応募できる経営企画職の求人は少ないでしょう。なぜなら、経営企画の仕事は、企業の成長の鍵を握る仕事になるため、能力や実績を備えた人材を採用したいと企業は考えるからです。
ですが、コンサルティングファーム経験者や経理・財務・マーケティング職の経験者、プロジェクトのマネジメント経験者、グローバルなビジネス・海外勤務経験者など、経営企画の仕事に活かせるキャリアを積んでいる人であれば、有利に働く可能性があります。
経営企画は、企業成長の根幹を担うやりがいのある仕事
今回は、経営企画に向いている人の特徴や求められるスキル、役立つ資格や経験、その後のキャリアパスなどを解説しました。
経営企画は、企業成長の根幹を担う、非常にやりがいのある仕事です。そのため、経営にまつわる幅広い知識やスキルも求められます。
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監修
ククレブ・マーケティング株式会社 CEO
大手事業法人のオフバランスニーズ、遊休地の活用等、数々の大手企業の経営企画部門、財務部門に対しB/S、P/Lの改善等の経営課題解決を軸とした不動産活用提案を行い、取引総額は4,000億円を超える。不動産鑑定士。
2019年9月に不動産Techを中心とした不動産ビジネスを手掛けるククレブ・アドバイザーズ株式会社を設立。
2021年10月にはデータマーケティング事業を主軸としたククレブ・マーケティング株式会社を設立し、現在に至る。
