ESGスコアとは?評価項目や算出方法、評価機関、世界・日本企業のランキングを分かりやすく解説【2026年最新版】
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ESGスコアとは?評価項目や算出方法、評価機関、世界・日本企業のランキングを分かりやすく解説【2026年最新版】

ESGスコアとは、企業の取り組みを、第三者機関が「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の3つの観点で数値化して評価した指標です。

近年、投資家は「企業はどれだけESGを意識した経営を行なっているか」に注目しており、ESGスコアは重要な投資判断基準のひとつとなっています。

本記事ではESGスコアの定義や重要視される背景、ESGスコアの主な評価項目、算出しているESG評価機関などを解説します。海外企業および日本国内のESGスコアが高い企業もランキング形式で紹介しているので、ぜひ参考にしてみて下さい。

この記事でわかること
  • ESGスコアとは
  • ESGスコアが重要視される背景と理由
  • ESGスコアの評価項目と算出方法
  • 主要なESG評価機関5社
  • ESGスコアの課題・問題点
  • 世界企業と日本企業のESGスコアランキング
  • 企業がESGスコアを高める方法

 

ESGスコアとは

ESGスコアとは、企業の「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」に配慮した取り組みを第三者機関が評価することで算出される指標です。

投資家は、財務情報だけでなく持続可能性や倫理面も含めて企業を評価するために、ESGスコアを活用します。スコアが高いほど長期的に安定・信頼できる企業とみなされます。

ESGスコアはMSCIやS&Pなどの評価機関が算出しています。企業の公開情報(IR情報など)やアンケートなどを通じて情報を収集し、独自に構築したスコアリングモデルに従って評価を行います。

ESGスコアが重要視される背景と理由

ESGスコアが重要視される背景には、ESG投資の広がりと、数値化の難しさが関係しています。

そもそもESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字を組み合わせた言葉です。この3つに配慮した企業経営をESG経営といい、投資判断の基準として世界的に広まっています。

しかしながら、ESG情報は数値化が難しい非財務情報であることから、企業が投資家などのステークホルダーに向けて情報開示するための基準や媒体などは統一されていません。

そのため、投資家は企業のESG 対応状況を評価するために、ESG評価機関が独自に構築したスコアリングモデルに沿って定量的に算出したESGスコアを活用するようになりました。

ESGについては、以下の記事で解説しています。

ESGとは?意味やSDGs、CSRとの違い、メリット、企業事例を分かりやすく解説!

日本株のESG投資割合は上昇傾向

株式会社QUICKが2025年12月に公表した「ESG投資実態調査2025」によると、日本株のESG投資割合は46%でした。「2024調査」と比べて5ポイントの上昇となっています。

2024年以降、米国から広まった「反ESG」の動きがあるにも関わらず、国内の機関投資家による日本株のESG投資は回復の兆しを見せています。
ESG投資額の推移
(出典)ESG投資割合、3年ぶり上昇 議決権行使や建設的対話が台頭 サステナブル投資最前線|日経ヴェリタス

ESGスコアの評価項目と算出方法

ESGスコアの算出方法は、定義されていません。そのため、第三者機関が環境・社会・管理の評価項目をもとに総合的に算出します。

第三者機関がそれぞれ得意な分野に基づいて指標を作成しているため、評価機関によって評価配分などの算出方法は異なります。自社の取り組みを正しく評価してもらうためにも、各評価機関の特徴について理解することが重要です。

「ESG情報開示実践ハンドブック」では、ESG指標の一例として、以下の世界取引所連合 (WFE) が公表している指標が紹介されています。

環境(E) 社会(S) ガバナンス(G)
  • 温室効果ガス排出量
  • 排出原単位
  • エネルギー使用量
  • エネルギー原単位
  • エネルギーミックス
  • 水使用量
  • 環境関連事業
  • 環境リスク管理体制
  • 気候リスク軽減に対する投資
  • CEO と従業員の報酬差
  • 男女の報酬差
  • 人材流入・流出の状況
  • 従業員の男女割合
  • 派遣社員割合
  • 反差別に関する方針
  • 負傷率
  • 労働安全衛生方針
  • 児童労働・強制労働に関する方針
  • 人権に関する方針
  • 取締役会のダイバーシティ
  • 取締役会の独立性
  • 報酬とサステナビリティの紐付け
  • 団体交渉の状況
  • サプライヤー行動規範の有無
  • 倫理と腐敗防止に関する方針
  • データプライバシーに関する方針
  • サステナビリティ報告
  • サステナビリティ関連開示
  • 外部保証の有無

引用:日本取引所グループ「ESG情報開示実践ハンドブック

主要なESG評価機関5社

ESGスコアを算出する評価機関は多数ありますが、特に代表的な評価機関は以下の5つです。

企業名 設立年 本拠地 特徴
MSCI 1969年 米国・NY 先進国や新興国などの市場別や国・地域別、産業分類別など多岐にわたる株価指数を提供。詳細な調査・格付け・分析を行うことでESGスコアを算出
FTSE Russell 1995年 イギリス・ロンドン 世界市場を測定および分析するために必要なツールを提供している企業。ロンドン証券取引所をはじめ世界の多くの取引所が同社の提供するインデックスを利用
Sustainalytics 1992年 オランダ・アムステルダム 日本を含む世界16拠点で、数百社に及ぶ世界有数の資産運用会社や年金基金と提携している巨大な金融機関。上場企業の環境・社会・企業統治のパフォーマンスに基づいて持続可能性を評価
S&P Global 1917年 米国・NY 過去10年間にわたりESGの専門知識を蓄積していることから、多くの投資家が参考にしている評価機関の1つ。ESG投資家が確信のある意思決定に役立つ重要なデータを提供
格付投資情報センター 1975年 日本 信用格付をはじめ年金運用コンサルティング・投信評価などの金融情報サービスを提供する企業。日本におけるESG評価の先駆者で、2016年に日本企業で初めてESGスコアを提供

ESGスコアの課題・問題点

ESGスコアの課題は、企業や投資家の間に統一された明確な指針や基準がない点です。

ESG評価機関によってESG情報の収集項目や重視項目が異なっているため、同じ企業でも評価する機関によって、評価が大きく異なってしまうケースもあります。

開示基準が複数存在し、評価機関が乱立してしまっている状況に対して、投資家の問題意識も高まっています。

世界企業と日本企業のESGスコアランキング【2026年3月最新版】

ESGスコアが高い企業を、国内外別にランキング形式でご紹介します。

ESGパフォーマンス・スコア・プラス(EPSP)ランキング

まずは世界ランキングから見ていきます。カナダのコーポレート・ナイツ社による「2026年の世界で最も持続可能な企業100社(Global 100 Index)」ランキングは、2026年1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に併せて発表されました。

今年から、企業のサステナビリティを「状態」としてだけでなく、ビジネスモデルの「転換の速さ」で評価する方向へ転換されています。

これにより、変化の激しいエネルギー市場でリーダーシップを発揮する企業が上位を占める結果となりました。上位10社をご紹介します。

▼「2026年の世界で最も持続可能な企業100社」ランキングTOP10

順位 企業名
1 ERG イタリア
2 パンドラ デンマーク
3 EDPレノバベイス スペイン
4 フルエンス・エナジー 米国
5 台湾高速鉄路 台湾
6 ダヴィータ 米国
7 リヴィアン・オートモーティブ 米国
8 ノボネシス(旧ノボザイムズ) デンマーク
9 オーステッド デンマーク
10 スズロン・エナジー インド

出典:【ESGブック】今年の「世界で最も持続可能な企業100社」を分析:上位25社は高スコア|株式会社Quick

ESGパフォーマンス・スコア・プラス(EPSP)ランキング

以下は、アラベスクグループのESG評価サービス「ESGブック」が2025年12月31日に公表した、日本企業の「ESGパフォーマンス・スコア・プラス(EPSP)」のランキングです。

首位の三井物産は、2024年12月末から5四半期連続で首位を維持しているとのことです。

▼ESGパフォーマンス・スコア・プラス(EPSP)日本企業TOP10

順位 企業名 業種 合計スコア
1 三井物産 加工業 79.44
2 クボタ 製造業 79.08
3 ライオン 非耐久消費財 78.14
4 セブン&アイHD 小売業 77.54
5 日清食品HD 非耐久消費財 75.06
6 伊藤忠 流通サービス 74.97
7 ユニ・チャーム 非耐久消費財 73.93
8 丸紅 加工業 73.69
9 エプソン 電子技術 73.53
10 アサヒ 非耐久消費財 72.89

出典:25年末のESGスコア首位は三井物、ライオン3位に躍進|株式会社Quick

企業がESGスコアを高める方法

ESGスコアを高める方法は以下の3つです。

  • ESG情報を積極的に開示する
  • 各評価機関に共通する高く評価される項目に優先的に取り組む
  • 社内の労働環境や資本金の配分を見直す

以下で詳しく解説します。

方法①:ESG情報を積極的に開示する

企業によるESG情報の開示とESGスコアの高さには、一定の相関関係があると言われています。そのため、自社で行っているESGの取り組みを可能な限り開示することがESGスコアの向上につながる可能性が高いといえます。

ESG情報を開示する代表的な場所として、統合報告書や公式ウェブサイトなどがあります。

ESG情報を開示する際は、ESGに関する自社の目標、取り組み、成果、及びそれらの裏付けとなるデータの開示がおすすめです。

方法②:各評価機関で共通して高く評価されている項目に優先的に取り組む

高いESGスコアを目指している企業では、どの評価機関でも高く評価される項目に対して優先的に取り組むことがおすすめです。

各評価機関では重視する評価項目が異なります。各評価機関が共通して高く評価する項目を理解し重点的に取り組むことで、安定して高いESGスコアの獲得が期待できます。

特にCO2の排出量削減などは地球規模の問題となっており、各評価機関で高い評価を受けることができます。

ESGスコアにおいて高スコアを目指している企業は、各評価機関に共通する重点項目を理解し、評価項目にあった取り組みを行いましょう。

方法③:社内の労働環境や資本金の配分を見直す

ESGスコアでは、社会や環境への配慮だけでなく、社内の管理体制も評価されます。

そのため、従業員の労働環境の改善や適切な資本金の配分を行うことでESGスコアを高めることが可能です。

社内の労働環境や資本金の配分を見直す際は、自社の取り組み内容を評価機関が分かるように改善点を開示することで正しい評価が期待できます。

ESGスコアに関するよくある質問

最後に、ESGスコアに関するよくある質問にお答えします。

Q:ESGスコアとは何ですか?

企業の環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)への取り組みを第三者機関が定量的に評価した指標です。財務情報だけでは測れない企業の持続可能性やリスク管理の質を示すものとして、機関投資家の投資判断や融資審査などに広く活用されています。

Q:ESGスコアで日本は世界何位ですか?

評価機関によって異なりますが、D&Bの調査(2025年10月時点)では、主要40カ国のESGランキング平均スコアで日本は22位と中位に位置しており、1位はスロバキア、2位アイルランド、3位チェコと、上位は東欧・北欧が中心となっています。産業構造の多様性や企業規模のばらつきが平均スコアに影響しているとみられます。

参照:ESGの現在地 – D&B ESG Rankingが示す日本と世界の企業評価|東京商工リサーチ

Q:ESGスコアの評価機関は?

国際的な主要機関としては以下が挙げられます。

評価機関

概要

MSCI

7段階(CCCAAA)で評価。GPIFも採用する世界的指標

FTSE Russell

FTSE4Good」シリーズなどを提供

S&PDJSI

ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ指数として知られる

ESGブック

開示情報をもとに0100点で評価。更新頻度が高い

各機関は独自の評価手法・配点基準を持つため、同一企業でもスコアが異なることがあります。自社の取り組みを正しく評価してもらうには、各機関の特徴を理解した上での情報開示が重要です。

まとめ:ESGスコアを戦略的に活用する

今回は、近年注目が集まっているESGスコアについて、評価項目や算出方法、主要な評価機関や、世界・日本企業のESGランキング、ESGスコアを高める方法などをご紹介しました。

今後投資家は、より一層企業のESGに対する取り組みに注目することとなるでしょう。持続的な企業成長のためにも、ESGスコアを高めていくための取り組みが求められます。

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監修

ククレブ・アドバイザーズ株式会社 代表取締役
ククレブ・マーケティング株式会社 CEO
宮寺 之裕
大手リース会社、不動産鑑定事務所を経て、J-REITの資産運用会社の投資部門にて企業不動産(CRE)に携わる。
大手事業法人のオフバランスニーズ、遊休地の活用等、数々の大手企業の経営企画部門、財務部門に対しB/S、P/Lの改善等の経営課題解決を軸とした不動産活用提案を行い、取引総額は4,000億円を超える。不動産鑑定士。
2019年9月に不動産Techを中心とした不動産ビジネスを手掛けるククレブ・アドバイザーズ株式会社を設立し、2024年11月に創業から5年で東証グロース市場に上場。
2021年10月にはデータマーケティング事業を主軸としたククレブ・マーケティング株式会社を設立し、現在に至る。

 

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