総研レポート・分析

GAFAとは?読み方や意味を簡単に解説!市場における問題点や各国の規制・Web3.0について紹介

GAFAとは、アメリカの主要IT企業4社(Google・Apple・Facebook(Meta)・Amazon)の頭文字をとった略称です。

GAFAはデジタル化が進む現代において、SNSやインターネットを通じた買い物など、人々の生活に欠かせないプラットフォームを提供しています。

本記事では、GAFAに含まれる企業や市場における問題点を紹介します。

GAFAに対する各国の対応やWeb3.0に関しても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

GAFAとは何の略?読み方と構成する4つの会社

GAFAとは何の略?読み方と構成する4つの会社

GAFAとはデジタル化が進む現代で、SNSやインターネットを通じた買い物などのプラットフォームを提供する代表的な4社を指します。

GAFAは日本語で「ガーファ」と呼びます。GAFAを構成している会社は以下の4社です。

  • Google(グーグル)
  • Apple(アップル)
  • Facebook(フェイスブック)|Meta(メタ)
  • Amazon(アマゾン)

各企業の特徴を確認します。

Google(グーグル)

Googleは、1998年にアメリカで創業されたインターネット関連事業を行う企業です。

検索エンジンの「Google」は、世界中で幅広い人々に利用されています。

また、無料で利用できる「Gmail」も多くのユーザーに利用されており、プライベート・ビジネスの両方においてコミュニケーションツールとして活用されています。

Googleは世界中で多くの人に利用される利便性の高いプラットフォームを提供しています。

Apple(アップル)

Appleは家庭用の電化製品やハードウェアの製造・販売を行う企業です。

Appleでは、主にiPhoneやMacBookなどのデジタルデバイスを提供しています。

世界の人々はiPhoneやMacBookを利用することで、インターネット検索やインターネット上での買い物、各アプリやWebソフトの利用ができます。

Appleは、世界中の人々が容易にインターネットへアクセスできる環境を整えています。

Facebook(フェイスブック)|Meta(メタ)

Facebookは2004年にマーク・ザッカーバーグにより創業された世界最大のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を提供している企業です。

2022年2月時点で世界の約30億人の人がFacebookに登録しており、Facebookでは人々のコミュニケーションをサポートしています。

また、Facebookは2021年よりMetaと社名を変え、メタバース事業に注力しました。今後のデジタル社会の更なる発展を支えています。

出典:Facebook Q2 2022 Earnings

Amazon(アマゾン)

Amazonは1994年にアメリカで創業された、世界最大のECプラットフォームを提供する企業です。

Amazonを使用することで、日常生活に必要な様々な商品を自宅にいながら購入することができます。

また、AmazonはECサイトのみならず映画や音楽といったデジタルコンテンツの配信も行っています。

GAFAが注目される背景

GAFAが注目される背景

Google(グーグル)、Apple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)の4社がGAFAと称され注目される背景には、以下の3つの理由があります。

  • 世界最大級のプラットフォーム
  • 企業の時価総額が高い
  • インフラとしての役割を担っている

それぞれの理由を確認します。

世界最大級のプラットフォーム

GAFAは世界最大級のプラットフォームを提供する巨大IT企業です。

GAFAはそれぞれの企業が提供するプラットフォームを通して様々なサービスを展開することで、世界中の人々の生活を大きく変えました。

SNSを通じたコミュニケーションやECサイトを利用した買い物など、GAFAが提供するプラットフォームは現代になくてはならないインフラです。

企業の時価総額が高い

GAFAが注目を浴びる背景には、4社の時価総額の高さがあります。

2021年時点のGoogle(グーグル)、Apple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)4社の株式時価総額の合計は日本円で約770兆円です。

2021年度の日本企業全体の株式時価総額が750兆円であるため、GAFA4社で日本の株式時価総額を超えています。

GAFAは株式市場で存在感が大きく、その影響度から世界の注目を集めています。

出典:日本経済新聞

インフラとしての役割を担っている

GAFAが提供するサービスは、世界の人々の生活を支えるインフラとしての役割を果たしています。

例えば、iPhoneやMacBookといったデジタルデバイスの使用は、日常において当たり前の光景となりました。

また、インターネットを通じた商品の購入やSNSを活用したコミュニケーションなど日常のあらゆる場面でGAFAのサービスが利用されています。

GAFAが世界から注目を集めている1つの理由は、世界の人々のインフラを支えていることにあります。

GAFAが世界に与えるメリット

GAFAが世界に与えるメリット

GAFAは現代における最先端のIT技術を用いることで、世界の人々の生活に大きなメリットを与えています。

GAFAが世界の人々に与えるメリットは、以下の2つです。

  • 生活レベルの向上
  • プラットフォームをビジネスに活用できる

それぞれ確認します。

生活レベルの向上

GAFAがインターネットを通して様々なプラットフォームを提供することで、世界中の人々の生活の利便性が向上しています。

現代の人びとはGoogleが提供する検索エンジンを活用することで、気になること・悩みごとなどをその場ですぐに調べることができます。

例えば、美味しい飲食店や旅行の際の観光地などをインターネットを通じて調べることで、様々な情報を瞬時に手に入れることができます。

また、AmazonのECサイトを利用することで、自宅にいながら買い物をすることができます。

世界の人々は、GAFAの便利なサービスを利用することで生活レベルを高めることができます。

プラットフォームをビジネスに活用できる

GAFAのプラットフォームは、消費者の生活レベルを高めるだけではありません。

GAFAが提供するプラットフォームは、各企業がビジネスを行う際にも利用することができます。

例えば、AmazonのECサイトでは企業も自社商品を出品することができるため、Amazonを通じて世界中の消費者に商品を提供することが可能です。

また、各企業ではGoogle内に自社のホームページを掲載することで、顧客の集客や従業員の採用を行うことができます。

GAFAのプラットフォームはビジネスに活用できるため、世界中の企業にとっても大きなメリットがあります。

GAFAの問題点

GAFAの問題点

GAFAは、インターネットを通じた買い物やSNSでのコミュニケーションなど、人々の生活を豊かにするプラットフォームを提供しています。

一方でGAFAの存在にはいくつかの問題を抱えています。

GAFAの存在による問題点は以下の2つです。

  • ビッグデータと市場の独占
  • 税金逃れ

それぞれ確認します。

問題点①:ビッグデータと市場の独占

GAFAが問題視されている1つの理由は、ビッグデータと市場の独占です。

GAFAが提供するプラットフォームは世界中の人々が利用しているため、各プラットフォームの利用状況や個人情報などのデータがGAFAのそれぞれの会社に蓄積されます。

GAFAは、収集した膨大なデータを利用することでユーザーのニーズや行動特性をより正確に把握できるため、新たなビジネスへつなげることができます。

そのため、GAFAは他の企業が敵わないほどの膨大なデータをもとにビジネスを行うことができ、結果的に市場を独占してしまうことが問題視されています。

問題点②:税金逃れ

GAFAが問題視されている2つ目の理由は税金逃れです。

GAFAはアメリカの企業でありながら、本社を税率の低い国に置くことで多額の納税義務を回避しています。

GAFAのように無形資産(データや広告配信)によって収益を得ている企業は、会社の拠点を移動しやすいため課税が難しいことが問題視されています。

事業利益に応じて正しく納税をしている企業と比べて、税金逃れをしている点がGAFAの問題点です。

GAFAに対する各国の規制

GAFAに対する各国の規制

GAFAはビッグデータ・市場の独占や税金逃れなどの問題点を抱えているため世界各国から様々な規制を受けています。

GAFAに対する各国の規制は以下の3つです。

  • デジタル課税
  • GAFAの解体を目指す
  • 官民データ活用推進基本法

それぞれ確認します。

デジタル課税

2019年6月に福岡市で行われたG20では、GAFAの税金逃れを阻止するために「デジタル課税」と呼ばれる国際的な統一ルールが採択されました。

デジタル課税は、税金逃れをする巨大IT企業から適切に税金を徴収することを目的とした制度です。

2023年から経済協力開発機構(OECD)加盟国を含めた136カ国・地域でデジタル課税が導入されます。

デジタル課税により、税率が低い国であっても国際的に合意形成された最低税率の15%以上の税率にて課税されます。

このように、GAFAを含む巨大IT企業に対して正しく税金を集める仕組みを確立しています。

バイデン大統領によるGAFAの解体

アメリカのバイデン大統領はGAFAの解体を目指して、GAFA解体に前向きな研究者を政権入りさせました。

GAFAが市場を独占することで他の企業が活躍しづらくなり、新たなイノベーションが起こりにくくなるといった問題があります。

また、GAFAと他企業での経済格差が生まれることからバイデン大統領はGAFAの解体を目指しています。

官民データ活用推進基本法

2016年12月、日本では官民データ活用推進基本法が成立しました。

日本の官民データ活用推進基本法の基本理念は「オープンデータ」と呼ばれ、個人データを匿名化した上でインターネットを利用するものです。

官民データ活用推進基本法を導入することで、GAFAのプラットフォームを使用した個人データの収集が難しくなり、特定の企業における個人データの独占を防ぐことができるのです。

GAFAの支配から抜け出すためのWeb3.0

GAFAの支配から抜け出すためのWeb3.0

GAFAは、提供するプラットフォームから収集可能なデータを活用することで自社に有利な経営戦略を立て、市場を独占しています。

近年、GAFAによる市場の独占を防ぐために注目を集めているのがWeb3.0です。

Web3.0とは、Web1.0とWeb2.0の次に来る「非中央集権型のインターネット」のことを指します。

Web3.0とは?

Web3.0は、イギリスのコンピューター科学者であるギャビン・ウッド氏により提唱された概念です。

Web2.0の時代ではGAFAのようなメガテック企業がプラットフォーマーとして検索エンジンや動画の配信サービスなどを提供していました。

Web3.0とは、GAFAのようなプラットフォーマーを介さずに個人間で通信ができる技術を指します。

Web3.0はブロックチェーン技術を用いてGAFAが支配する中央集権型のインターネット環境から脱却して、非中央集権型のインターネットを目指すものです。

ブロックチェーン技術の活用

ブロックチェーン技術とは、情報を細かく分けることでインターネットを利用する者同士が管理者となり互いに監視し合う仕組みです。

これまでのようにGAFAのプラットフォームを介してインターネットにアクセスする必要がなくなり、特定の企業に個人情報が集中するのを避けられます。

インターネットへのアクセスが個人間でやり取りできるためGAFAに個人情報を取られることがなくなり、ビッグデータの活用による市場の独占を防ぐことができるのです。

GAFAに加えて覚えておきたい代表的なIT企業の略称

GAFAに+して覚えておきたい代表的なIT企業の略称

GAFA以外にも世界を代表するIT企業はいくつもあります。

以下でこれからのデジタル社会を担う代表的な企業の略称を紹介するので、押さえておきましょう。

今後の世界を代表するIT企業の略称は以下の3つです。

  • GAFAM(ガーファム)
  • FANG(ファング)
  • BATH(バス)

それぞれの頭文字に含まれる企業の特徴を解説します。

GAFAM(ガーファム)

GAFAMとは、GAFAにMicrosoft(マイクロソフト)を加えた名称です。

Microsoftは、1975年にビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏によって創業されたアメリカの大手ソフトウェア開発会社です。

Microsoftは、Windowsを開発することによって世界中でインターネットが普及するきっかけを作りました。

世界のIT市場を牽引する企業群の意味でGAFAにMicrosoftを加えることで、GAFAMと呼ばれています。

FANG(ファング)

FANG(ファング)とは、Facebook、Amazon、Netflix、Googleの略称で2015年頃から米国の株式市場で使われています。

GAFAに含まれる3社にNetflix(ネットフリックス)が加えられています。

Netflixはネット上で映画やDVDを視聴できるオンデマンドサービスを提供している会社です。

アメリカではNetflixがケーブルテレビに代わって多くの家庭で使われているため、注目を集めています。

BATH(バス)

BATH(バス)とは、中国を代表するBaidu(バイドゥ)、Alibaba(アリババ)、Tencent(テンセント)、Huawei(ファーウェイ)の4社を指す略称です。

中国版のGAFAと呼ばれるほど、世界経済へ大きな影響を与えるメガテック企業群です。

BATHは国内は総人口14億人という中国の巨大なマーケットの中で、右肩上がりの成長を続けており、GAFAに迫る勢いで急拡大を遂げています。

GAFAに関するQ&A

ここまでGAFAが世界に与えるメリットやGAFAに対する各国による規制など、網羅的に解説してきました。

最後に、GAFAに関してよくいただく質問をまとめています。

Q&A形式で紹介するので、ぜひ参考にしてください。

なぜ、GAFAはここまで成功できたのか?

GAFAが他社に比べて事業拡大を続けていける理由は、成長著しいIT業界で独自のプラットフォームを提供しているためです。

デジタル化が進む現代において、1人1台のスマートフォンやタブレットを持つことが当たり前の時代になりました。

GAFAはインターネットを活用したサービスを行なっているため、多くの顧客の個人情報を集めることができ、適切な自社サービスの訴求が可能です。

GAFAがここまで大きく成長できた要因には、成長著しいIT業界でプラットフォームを提供していること、収集した膨大なデータを有効活用していることがあげられます。

GAFAと呼ぶのは日本だけ?

日本では、GAFAという名称が流行語大賞にノミネートされるほど一般的に知られていますが、GAFAと呼ぶのは日本だけです。

アメリカや中国などの海外では、一般的にGAFAという略称は使用せずメガテック企業と呼ばれています。

GAFAという名称が日本で広まった背景に、東洋経済新報社が出版した書籍『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』があります。

本書の表紙に大きな文字で「GAFA」の文字がデザインされていたことから、日本国内で広まりました。

GAFAの名称が変わる可能性は?

GAFAに含まれるFacebookは、2021年10月28日より社名を「Meta」へと変更しています。

Facebookの社名が変更したことから、今後GAFAの略称が変更になる可能性があります。

現在、GAFAに変わる新たな略称は広まっていませんが、今後メディアなどで新たな略称が取り上げられることでGAFAの呼び名が変わるかもしれません。

監修

ククレブ・アドバイザーズ株式会社 代表取締役
ククレブ・マーケティング株式会社 CEO
宮寺 之裕
大手リース会社、不動産鑑定事務所を経て、J-REITの資産運用会社の投資部門にて企業不動産(CRE)に携わる。
大手事業法人のオフバランスニーズ、遊休地の活用等、数々の大手企業の経営企画部門、財務部門に対しB/S、P/Lの改善等の経営課題解決を軸とした不動産活用提案を行い、取引総額は4,000億円を超える。不動産鑑定士。
2019年9月に不動産Techを中心とした不動産ビジネスを手掛けるククレブ・アドバイザーズ株式会社を設立。
2021年10月にはデータマーケティング事業を主軸としたククレブ・マーケティング株式会社を設立し、現在に至る。

免責事項
当レポートは、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではございません。また、本内容は現時点での判断を示したに過ぎず、データ及び表現などの欠落、誤謬などにつきましては責任を負いかねますのでご了承ください。当レポートのいかなる部分もその権利はククレブ・アドバイザーズ株式会社及びククレブ・マーケティング株式会社に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、無断で複製または転送などを行わないようお願いします。