プロジェクトマネジメントを成功させるおすすめフレームワーク一覧!初心者でも簡単な管理手法をプロが解説!
プロジェクトマネージャーに配属されたばかりだと、プロジェクトマネジメントに関する知識が少なく、何から手をつければよいかわからない方も多いのではないでしょうか。
そのようなプロジェクトマネジメントで困っている際に役立つツールが、フレームワークです。
すでに確立されているフレームワークを上手に活用することで、プロジェクトマネジメントを初めて行う場合でも円滑な進行が可能となります。
本記事では、プロジェクトマネジメント初心者向けに活用すべきおすすめのフレームワークと管理手法を紹介します。
複数あるフレームワークの中から初心者でも簡単に使いこなせる物を厳選しているので、プロジェクト管理の参考にしてください。
プロジェクトマネジメントとは何か
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを成功裏に進めるための人材・予算・スケジュール・タスクの進捗などの管理業務を示します。
大規模なプロジェクトであるほど業務が細分化されるため、決められた納期に合わせて各業務を管理しなければプロジェクトを炎上させてしまいます。
プロジェクトを進行させるにあたり、プロジェクト全体の管理を担うのがプロジェクトマネージャーです。
プロジェクトマネジャーは、プロジェクトの成功を担う重要な役割を果たしており、スケジュール管理やコスト管理といった様々な業務・スキルが求められます。
なお、プロジェクトマネジメントの基本的な管理要素から成功の秘訣、求められるスキル等については別記事「プロジェクトマネジメントとは?成功の秘訣や求められるスキル、おすすめの本・資格・ツールをプロが解説」で詳しく解説しています。
プロジェクトマネジメントについて網羅的に知りたい方は、まずこちらをご覧ください。
プロジェクトマネージャーの役割
プロジェクトマネージャーは、任されたプロジェクトを円滑に進めることで、企業に利益をもたらします。
プロジェクトマネジャーは、プロジェクトを成功させるために以下の仕事を行います。
- 顧客との打ち合わせと計画の策定
- 予算の決定とプロジェクトメンバーの選択
- タスク分けとプロジェクト進行の管理
- トラブルへの対応
- 成果物の品質管理
プロジェクトマネジャーには、顧客の対応だけでなく予算の管理やタスクの管理といった、内部メンバーに向けた対応が求められます。
プロジェクトマネジャーは、プロジェクト成功に向けて幅広い役割を担う必要があるため、相応のスキル・知識が必要です。
プロジェクトマネジメントの重要性
プロジェクトの進行にあたり、きちんとしたマネジメントが行われないとスケジュールの遅延や成果物の品質低下、予算の超過などのトラブルが発生するリスクが高まります。
それらトラブルを防ぐためにも、プロジェクトマネジメントは欠かせません。
プロジェクトマネジメントを行うことで、プロジェクトのプロセスや各タスクを明らかにし、発生した問題に対する対応方針を立てることで、成果に対する高い品質を保ちます。
また、各タスクごとの予算を把握することができるため、予算管理や軌道修正が行いやすくなるのも魅力の一つです。
プロジェクトマネジメントは、プロジェクトを成功させるためになくてはならない重要な業務だと言えます。
プロジェクトマネジメントのフレームワークとは
プロジェクトマネジメントを行ううえで、フレームワークの活用がおすすめです。
フレームワークとは、日本語で「骨組み」を意味します。
プロジェクトにおけるフレームワークとは、予め用意された複数の型にプロジェクトを当てはめることで、プロジェクトマネジメントを行うための大まかな骨組みを作ることができるツールを指します。
そのため、初めて経験する種類のプロジェクトや、プロジェクトの進行に迷ったときはフレームワークを活用することで、解決策を見つけることができる可能性があります。
しかし、プロジェクトマネジメントでのフレームワークの活用には、デメリットも存在します。
フレームワークを活用する際のメリット・デメリットを把握し、状況にあった最適なフレームワークを選択できるようにしましょう。
フレームワークを利用するメリット
プロジェクトを進行するにあたり、フレームワークの活用には多くのメリットがあります。
フレームワークは複数の種類があるため、どのフレームワークを活用するかによって得られるメリットが異なりますが、共通して以下のような利点があります。
- プロジェクトマネジメントにかかる工数を減らせる
- プロジェクトに関する情報の整理ができ、管理ミスが減らせる
- プロジェクトチームないでの情報の共有がしやすくなる
- 正しく情報が共有されるため、プロジェクトの進行が早くなる
フレームワークの活用にはメリットが豊富です。
フレームワークを上手に活用することで、トラブルのないプロジェクト進行を目指してください。
フレームワークを利用するデメリット
フレームワークの活用にはメリットが多い一方、デメリットも存在するため注意が必要です。
最も大きなデメリットは、プロジェクトを進めるにあたって、メンバーの思考を停止させ業務を作業化させてしまうことです。
フレームワークは、決められた型に項目を当てはめるだけで管理できてしまうため、メンバーの思考停止に繋がります。
本来であれば様々な視点で考えなければならない場面でも、フレームワークの枠組み内のみで検討してしまい、自身で思考することを怠る危険性があります。
また、フレームワークごとに活用時のルールや使い方が異なるため、プロジェクトメンバー全員がフレームワークを理解するのに時間がかかり、混乱を招く危険性もあります。
フレームワークを活用する際には、上記のデメリットを理解した上で、上手に活用してください。
フレームワークの選び方
フレームワークには、プロジェクトの計画を立てる段階に適したフレームワークや長期のプロジェクトに適したフレームワークなど、各場面にあった多くの種類が存在します。
そのため、各フレームワークの特徴を理解して、状況に合わせた適切なフレームワークの選択が必要です。
また、プロジェクトの業種によっても活用できるフレームワークが異なるため、フレームワークを活用する際は、予め特徴を理解したうえで活用するようにしましょう。
現在では、さまざまなフレームワークが構築されていますが、プロジェクトマネージャーになって日が浅い方は、知識が少なくても簡単に使用できるフレームワークを選ぶようにしましょう。
プロジェクトマネジメントを円滑に進行させるフレームワーク4選
プロジェクトマネジメントを行うにあたり、これまでに多くの種類のフレームワークが構築されています。
その中でも、プロジェクトマネジメントの初心者におすすめのフレームワークを4つ厳選してご紹介します。
- PMBOK(ピンボック)
- PPM(プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント)
- CCPM(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント)
- P2M(プロジェクト&プログラム・マネジメント)
それぞれのフレームワークの特徴や用途を確認して、自身のプロジェクト管理能力に適したフレームワークを活用しましょう。
フレームワーク①:PMBOK(ピンボック)
PMBOK(ピンボック)は、プロジェクトの管理で最も使用されるフレームワークです。
PMBOKは、プロジェクトを以下の「10種類の知識エリア」と「5つのプロセス」に分けて管理します。
PMBOK(ピンボック)を活用することで、知識エリアをもとに各プロセスを細かくコントロールできるため、効率よく品質・予算・納期の3要素を管理できるのです。
10種類の知識エリア
- 統合マネジメント
- スコープマネジメント
- タイムマネジメント
- コストマネジメント
- 調達マネジメント
- 品質マネジメント
- 人的資源マネジメント
- コミュニケーションマネジメント
- リスクマネジメント
- ステークホルダーマネジメント
5つのプロセス
- 立ち上げ
- 計画
- 実行
- 監視・管理
- 終結
PMBOKは非常に便利なフレームワークなので、ぜひ仕組みを理解し、プロジェクト管理に役立ててください。
フレームワーク②:PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは、各事業を4つのマトリックスに分類することで、事業や戦略の優先順位を付けるのに役立つフレームワークです。
企業における事業を分類する際に活用されます。
具体的には、各事業を「相対的市場シェア」と「市場成長率」を軸にした4つのマトリックスに分類することで、事業や戦略における優先順位を明確にします。
マトリックス上で、「相対的市場シェア」が低く、「市場成長率」が高い領域に属する事業を拡大することで、企業としての大きな利益に繋がるため、ぜひPPMを活用してみてください。
フレームワーク③:CCPM(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント)
CCPM(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント)とは、プロジェクトにおける各タスクや予算のバッファを一括で管理するフレームワークを指します。
バッファとは、プロジェクト進行にあたって納期の緩衝材となるスケジュールの余白や予算の余剰金のことです。
予め、各タスクのスケジュールや予算をギリギリに設定し、バッファを一括で管理することで、プロジェクト全体の進捗管理を行います。
CCPMを活用することで、プロセスの一部で作業遅れや予算超過が発生した場合でも補填することができ、プロジェクト全体の進捗に影響がでるのを防ぎます。
フレームワーク④:P2M(プロジェクト&プログラム・マネジメント)
プロジェクト管理のためのフレームワークは、全世界で構築されていますが、P2M(プロジェクト&プログラム・マネジメント)は日本で作られたフレームワークです。
PMBOK(ピンボック)などで整理されたプロジェクト管理の仕組みに経営や戦略の視点が取り入れられています。
P2M(プロジェクト&プログラム・マネジメント)は、複数のプロジェクトを連携・統括して管理することに優れているため、プロジェクト同士が互いに影響し合うような大型のプロジェクトの管理におすすめです。
プロジェクトマネジメントを円滑に行う便利な手法
プロジェクトマネジメントを円滑に進めるための管理手法には複数の種類があります。
ここでは、プロジェクトマネジメント初心者でも簡単に使用できる管理手法を、厳選してご紹介します。
難しい知識は必要なく、日常生活でも使用する機会が多いため、ぜひ押さえておいてください。
カレンダー
カレンダーは最も簡単に、プロジェクト管理ができるスケジュール管理手法になります。
日常的な予定の管理でも多くの人が使用した経験があるはずです。
カレンダー内の各日程にタスクを振り分けることで、タスクとスケジュールの管理が容易になります。
タイムライン
プロジェクト管理におけるタイムラインとは、各タスクを時間軸で管理するための手法です。
タイムラインを使用することで、どの時間・タイミングでどのタスクを実施するかを明確にすることができます。
タスクを行う順番が一目でわかるため、納期遅れを防ぎたい方におすすめです。
ネット上に、無料で作成できるフリーテンプレートなどがあるため、興味がある方はぜひ活用してみてください。
ガントチャート
ガントチャートは、大きなプロジェクトを小さなタスクに分割して管理するのに有効な手法です。
各タスクの作業計画を項目別に視覚化することができるため、プロジェクト全体の計画の見える化に役立ちます。
ガントチャートに関しても、ネットから無料でテンプレートをダウンロードすることが可能です。
また、Excelでも簡単に作成可能なため、自身の状況に合わせたガントチャートを作成してみてください。
フレームワークを活用に関するよくある勘違い
円滑にプロジェクトマネジメントを行うためには、フレームワークの活用は欠かせません。
しかし、中にはフレームワークを活用する上で勘違いされやすいポイントもあります。
特にプロジェクトマネジメント初心者の方は、ネットでの情報を鵜呑みにしやすいため注意が必要です。
ここでは、フレームワークを正しく理解して、適切に使いこなせるように、よくある勘違いを3つ紹介しておきます。
- プロジェクトマネジメントを行う上でExcelを使うことはできない
- フレームワークを学ぶためには研修やセミナーへの参加が必須
- フレームワークを学ぶことで年収が上がる
正しい知識を身に付けて、効果的にフレームワークを活用できるようになりましょう。
プロジェクトマネジメントを行う上でExcelを使うことはできない
「プロジェクトマネジメントを行う上でExcelは活用できない」と勘違いされる方は多いですが、Excelの活用は可能です。
ネット上では、プロジェクト管理に適したテンプレートを無料でダウンロードすることができるので、決まったツールの活用が必須だと勘違いされる方が多くいます。
しかし、自身の状況に合わせたプロジェクト管理を行いたいのであれば、無理にツールに頼るよりも、Excelを用いた管理がおすすめです。
型にとらわれずに、状況にあった適切なプロジェクト管理方法を検討してください。
フレームワークを学ぶためには研修やセミナーへの参加が必須
フレームワークを学ぶにあたって、研修やセミナーへの参加は必須ではありません。
たしかに、研修やセミナーへ参加することでより具体的なフレームワークの活用方法を理解することができます。
しかし、多くのフレームワークは体系化されているため研修やセミナーへ参加しなくとも、独学で学ぶことが可能です。
まずはフレームワークに関する書籍やネットにある記事を読むことで、フレームワークを活用してみてください。
フレームワークを学ぶことで年収が上がる
フレームワークは、あくまでも円滑なプロジェクト進行のための骨組みです。
そのため、フレームワークについて学んだとしても、必ずしも年収が上がるとは限りません。
もちろん、フレームワークを学ぶことでプロジェクト管理をスムーズに行うことができ、社内での評価が高まることもあります。
しかし、円滑なプロジェクトマネジメントにはフレームワークだけでなく、さまざまなスキルが求められるため、フレームワークを学習しただけでは年収アップの可能性は低いといえます。
監修
ククレブ・マーケティング株式会社 CEO
大手事業法人のオフバランスニーズ、遊休地の活用等、数々の大手企業の経営企画部門、財務部門に対しB/S、P/Lの改善等の経営課題解決を軸とした不動産活用提案を行い、取引総額は4,000億円を超える。不動産鑑定士。
2019年9月に不動産Techを中心とした不動産ビジネスを手掛けるククレブ・アドバイザーズ株式会社を設立。
2021年10月にはデータマーケティング事業を主軸としたククレブ・マーケティング株式会社を設立し、現在に至る。
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