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2023年のホットワードは?CCReB GATEWAYホットワードから今年のトレンドをいち早く読み解く!(ククレブ総合研究所)

2023年も早くも1ヶ月が過ぎようとしておりますが、B2Bポータルサイト“CCReB GATEWAY”では、日々企業から発信される中期経営計画を始めとした経営資料を解析、ワードクラウド形式で表示しております。多くの企業の中期経営計画は5月から6月に集中しますが、すでに年明けから数本の中期経営計画が公表されており、本サイトにおいても解析を開始しておりますので、本稿において紹介させて頂きつつ、2023年のトレンドを読み解いていきます!

 

2023年のホットワード解析開始

まずは2023年に入り、数社で中期経営計画の公表がありました。これだけを持ってトレンドとは言えませんが、今年もCCReB GATEWAYではこのように、企業のビジネストレンドを“可視”して参ります。1月時点のホットワードが、今年を終えた際にどう変化していくか?この点にも注目頂ければと思います。以下、前年との比較において急激に出現率を伸ばしているホットワードをご紹介していきます。

 

2023年注目ホットワード1:リスキリング

昨年から数多く耳にするようになったワード、”リスキリング”!

リスキリングとは、今後の業務において必要となるスキルや技術を「学び直す」ことを言いますが、中期経営計画においても数多くの企業がこの“リスキリング”を経営戦略に織り込んでおり、対前年比で440%の増加率となっています。

リスキリングについては、電源開発株式会社(電気・ガス業)、三ツ星ベルト株式会社(ゴム製品)、株式会社ニチレイ(食料品)、DIC株式会社(化学)、芙蓉総合リース株式会社(その他金融業)など業種問わず様々な企業が経営課題として認識しており、DX(デジタルトランスフォーメーション)が日々の様々な業務に組み込まれ、そのスピードも加速していく中、多くの業種でこの変化に社員を対応させていくことを課題として認識していることが窺えます。2023年の中期経営計画ではさらに多くの企業での出現が予想されます。

 

2023年注目ホットワード2:人的資本

続いては、こちらもリスキリング同様出現率を大幅に伸ばしたワード、”人的資本”です。

昨年、内閣官房から人的資本に関する開示ガイドラインが発表されたこともあり、昨年末からさらに出現率が加速したワードです。

人的資本とは、人材を単なる「人」として捉えるのではなく、価値を創造する源泉である「資本」として捉えようとするものですが、今後有価証券報告書において人的資本情報開示が義務付けられることから、リスキリングと関連して経営戦略において人的資本経営を充実させることがますます重要になっていくと思われます。

人的資本については、三菱商事株式会社(卸売業)、高砂熱学工業株式会社(建設業)、株式会社日立製作所(電気機器)、株式会社サンウッド(不動産業)、株式会社ツムラ(医薬品)など、多くの業種で人的資本経営が意識されています。人的資本にも注目です。

 

2023年注目ホットワード3:サプライチェーン

“サプライチェーン”このワードも見逃せません。

サプライチェーンについては、多様な使われ方がなされており、「サプライチェーン強化」「サプライチェーンの構築」「サプライチェーンの確立」「サプライチェーンの混乱」など、サプライチェーンを含むワードが数多くあることから前年比での比較は難しいですが、例えば「サプライチェーンの混乱」というワードをとってみると、昨対比増加率は1,837%であり、昨年前半のロシア軍のウクライナ侵攻を契機にサプライチェーンについての企業認識が大幅に変わったことが伺えます。

その他サプライチェーン系ワードとして、「循環型サプライチェーン」(丸紅株式会社)など新しいワードも出現しており、2023年の中期経営計画ではさらに多くの企業での出現が予想されます。なお、サプライチェーンの再構築に関連して、「国内回帰」についても2023年は出現数の増加が予測されます。

 

2023年注目ホットワード4:オフィス環境

“環境”を含むワードは数多くありますが、その中でも出現率を増やしているのが、「オフィス環境」です。

<“環境”を含むワードは数多>

2023年は長らく続いたコロナ政策も大きな転換点を迎え、本当の意味でのアフターコロナの生活様式が始まっていくものと思われますが、「テレワーク」もビジネスの中に定着し、CCReB GATEWAYにおいても「テレワーク」を含むワードは昨対比でマイナスが目立つようになってきました。

それに代わり増加したワードが「オフィス環境(の改善)」です。企業側はコロナ禍を経験し、従業員の多様な働き方を支える一方で、オフィス環境をこれまでのスタイルから、従業員の「ウェルビーイング」を意識した、従来のオフィス出勤のメリットと、テレワークのメリットを意識したハイブリットな職場環境の改善構築に力を入れているようです。

世界的にもコロナ前のような全社員が出社することが当たり前な時代から、テレワークとの組み合わせという多様な選択が可能な時代となってはいるものの、テレワークの弊害も指摘されており、日本人が好きな“対面によるディスカッション”が新しい時代に合わせて形を変えていくものと思われます。

オフィス環境については、富士ソフト株式会社(情報・通信業)、株式会社ほくほくフィナンシャルグループ(銀行業)、株式会社高松コンストラクショングループ(建設業)、株式会社ワキタ(卸売業)などの多業種で出現しており、2023年も数多くの企業戦略において、人材確保を意識した経営戦略としても増加していくものと予想されます。

 

以上、CCReB GATEWAYを活用した2023年のトレンドの予測を行いました。その他本稿では盛り込み切れないトレンドワードが数多くありますが、ここ最近の傾向は、2019年・20年の頃の中期経営計画に比べ、経営戦略の多様化と変化のスピードの速さによる新しいワードの出現が顕著な事です。

CCReB GATEWAYでは、数万に上るワード辞典を日々アップデートしており、その結果をワードクラウドとして表示しております。そしてそのトレンドワードを経営戦略に取り込んでいる会社を調べることで、様々な業務での活用も可能です。トレンド変化のスピードが速い今こそ、ビジネスパーソンに必要な“高いアンテナ”を会員登録(無料)でご活用ください。

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監修

ククレブ・アドバイザーズ株式会社 代表取締役
ククレブ・マーケティング株式会社 CEO
宮寺 之裕
大手リース会社、不動産鑑定事務所を経て、J-REITの資産運用会社の投資部門にて企業不動産(CRE)に携わる。
大手事業法人のオフバランスニーズ、遊休地の活用等、数々の大手企業の経営企画部門、財務部門に対しB/S、P/Lの改善等の経営課題解決を軸とした不動産活用提案を行い、取引総額は4,000億円を超える。不動産鑑定士。
2019年9月に不動産Techを中心とした不動産ビジネスを手掛けるククレブ・アドバイザーズ株式会社を設立。
2021年10月にはデータマーケティング事業を主軸としたククレブ・マーケティング株式会社を設立し、現在に至る。