ホテル市場で注目される京都のラグジュアリーホテル開発

 今回は、複数の計画が進む京都のラグジュアリーホテル開発について紹介する。ラグジュアリーホテルは、各ホテルブランドのなかでも施設、サービスレベル、価格帯等が最高級ランクのホテルであり、ターゲットは国内外の富裕層となる。

京都市内のラグジュアリーホテル計画

 図表1-1は京都市で2020年以降開業及び今後開業予定の主なラグジュアリーホテルの一覧で、No.1~4に開業済み、No.5~13に計画中のプロジェクトを記載した。図表1-2はそのプロット図である。
 立地の傾向としては、市内中心部ながら閑静さを備える二条城周辺、すでにラグジュアリーホテルが立地している北区衣笠や東山区の既存ホテル等の跡地における開発が多い。
 外資系に加え、京都でホテル運営を行っているプリンスホテルやホテルオークラなどの国内ホテルチェーンもラグジュアリーホテル運営に進出している。No.12「(仮称)弥栄会館」は、京都初進出の帝国ホテルが弥栄会館を改修してラグジュアリーホテルを展開する計画である。No.13「旧九条山浄水場跡地活用プロジェクト」は、強羅花壇が開発、運営を行う高級旅館となる計画である。
 京都にラグジュアリーホテルの計画が多い要因としては、京都が世界的な観光ブランド立地であるため、インバウンドが回復した場合には海外から富裕層を呼び込めるとの見立てや、差別化を考える開発事業者によるホテルブランド誘致等が挙げられる。No.11は、NTT都市開発が元新道小学校跡地活用計画で開発するホテルに、シンガポールを拠点とするカペラホテルグループのラグジュアリーホテルを誘致したもので、日本初進出となる。
 また、京都市でも「上質宿泊施設誘致制度」を設けて2022年3月31日までに受け付けたホテル計画については、要件を満たす場合に宿泊施設の建設が制限されている区域での建設を許可するなどの措置を行っており、No.10「(仮称)シャングリ・ラホテル京都二条城」はこの制度を利用して建設されている。

図表1-1)2020年以降竣工及び今後開業予定の主なラグジュアリーホテル一覧(京都府)

図表1-2)プロット図

 

コロナ禍以降の外国人宿泊者数の動向と見通し

 コロナ禍の終息が見えないなかでのホテル需要について、観光庁の宿泊旅行統計調査から、京都府の日本人延べ宿泊者数と外国人延べ宿泊者数の月次の時系列推移を図表2に示した。2020年1月以降はコロナの影響で宿泊者は日本人、外国人ともに大きく落ち込んだが、日本人宿泊者は2020年5月の16.1万人を底に回復し、GoToトラベル効果も相俟って2020年11月には167万人と過去最高を記録、2022年6月には延べ宿泊者数は146.9万人/月となった。
 一方で、外国人宿泊者は国内で感染が落ち着いた時期も入国制限等の要因から、ひと月当たり2万人前後で推移している。入国制限に関しては、2022年6月10日より外国人の新規入国対象者が緩和され、入国者総数の上限は従来の1日当たり1万人から2万人に引き上げられた。9月7日からは、全ての国・地域からの添乗員の同行を伴わないパッケージツアーの受入れを開始し、1日当たりの受入れ上限は5万人まで引き上げられた。 
 入国制限の緩和はスローペースであり、インバウンドの回復までは期間を要すると考えられる。ただし、図表1-1で紹介したラグジュアリーホテルの計画は、2024年以降に開業する施設が多いため、それまでにはもう一段のインバウンド回復が期待できよう。また、2025年には大阪・関西万博開催が控えており、富裕層やVIPの来日も増加するとみられ、ラグジュアリーホテル運営の先行きについては期待が持てる環境にある。

図表2)京都市の宿泊者数推移


 

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