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リスキリングで何を学ぶか?政府が5年で1兆円を投資!?「学び直し」を改めて解説!

リスキリングについてお調べですね?

リスキリングとは、社会や環境の変化に合わせて、新しく知識やスキルを学び直すことです。

デジタル化が進む現代では、新たなスキルを身に付けるためのリスキリングが重要だと言われています。

これまでの常識や知識では、DX(デジタルトランスフォーメーション)化が進むこの世の中にはついていけないという、中高年ビジネスパーソンにとっては非常に生き辛い世の中になりました。

政府も「リスキリング」に今後5年で1兆円を投資すると発表しており、まさに“1億総学び直し”の時代が到来します。

本記事では、リスキリングで学ぶべき内容やリスキリングを実践するうえで注意するべき点について解説しています。

また、実際に社内でリスキリングを実施している企業の事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

リスキリングは大注目のホットワード

リスキリング(学び直し)の意味とは?|基礎知識を確認

リスキリングは、企業経営においても喫緊の課題なようです。

企業が公表する中期経営計画においても、2022年1月から12月に公表された中期経営計画において、「リスキリング」を経営課題として触れている企業数は、前年の2021年と比較して、約4倍となり、2023年4月現在、2022年対比でさらに約3.7倍(いずれもククレブ総合研究所調べ)と、「リスキリング」は日本企業において重要な経営戦略(経営課題)となっています。

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リスキリングが求められる背景と必要性

現在、各企業でリスキリングに注目が集まっているきっかけを作ったのは、2020年にダボス会議で発表された「リスキリング革命」です。

ダボス会議とは、スイスのダボスで開催される世界年次フォーラムの年次総会のことです。

ダボス会議では、各国の専門家が集まり世界の経済や雇用、環境問題についてより良い社会を作るための議論が行われます。

日本の経済産業省は、ダボス会議の「リスキリング革命」を受けてリスキリングの取り組みを進めています。

国内外の企業でリスキリングが求められる背景には、以下の2つが関係しています。

世界でDX化が進んでいる

各国の企業でリスキリングが求められる背景には、DX化の広がりが関係しています。DX化とは、デジタル技術を駆使してビジネスプロセスを構築することを指します。

現在の企業では、データやデジタル技術を用いることで、新時代に相応しい新たな価値を生み出すことが期待されています。

世界でDX化が進むなか、企業間の競争で優位に立つためには、リスキリングの実施による社内DX化の促進が必須です。

リモートワーク等による働き方の変化

リスキリングが求められる2つ目の背景には、2019年に発表された働き方改革やCOVID-19の影響による労働者の働き方の変化が影響しています。

近年の代表的な働き方の1つにリモートワークがあります。リモートワークとは、自分が所属している会社に通勤せず自宅で仕事をする働き方のことを指します。

リモートワークの実施には、パソコンやタブレットなどの情報通信技術を活用する必要があるため、高いITスキルが求められます。

リモートワークのような働き方の変化に対応して、柔軟な労働形態を実施するうえでもリスキリングによる学び直しが必要です。

リスキリングとリカレント教育の違い

リスキリングとリカレント教育の違い

リスキリングと似た言葉に、リカレント教育があります。リスキリング同様にリカレント教育も広い意味で「学び直し」を指します。

しかし、両言葉の厳密な意味は異なっており、使われる場面も違うため、リスキリングとリカレント教育の違いを正しく理解し、使い分けるようにしましょう。

リカレント教育とは

リカレント教育とは学生から社会人になった後、職場と学習の場を行き来しながらスキルを高めることを指します。

一方でリスキリングとは、企業が社員のスキル習得のために学びの場を与えることを指します。リスキリングはリカレント教育と異なり、働きながら新しい知識やスキルの習得が可能です。

また、リカレント教育は自身が知識やスキルを学ぶための自主的な学び直しであるのに対して、リスキリングは企業側が主体となって実施する学び直しであるといった違いもあります。

リスキリングでは何を学ぶべきなのか?|学び直しの内容

リスキリングでは何を学ぶべきなのか?|学び直しの内容

リスキリングで特に学ぶべき内容はDX化に必要なスキルです。DX化に必要なスキルとは、高いITスキルとビジネススキルを指します。

そのため、リスキリングを実施する際は、ITシステムの開発や管理を行うスキルに加えて、ビジネスの目標を達成するためのビジネススキルの学びも重要です。

リスキリングで学び直すべきスキルは以下の5つです。

  • プログラミングスキル
  • マーケティングスキル
  • データ分析スキル
  • コミュニケーションスキル
  • 外国語スキル

1つずつ、確認していきます。

プログラミングスキル

プログラミングスキルとは、「コンピューターに指示を出す能力」を指します。

プログラミング言語を理解してコードを書くことで、サービスの開発やシステムを構築することが可能です。

プログラミングスキルを習得することで、社内のシステム開発や単純作業を自動化することができるので、業務の効率化を図ることができます。

マーケティングスキル

マーケティングスキルとは、自社の売上を伸ばすために製品やサービスに関する調査・分析・企画・宣伝を行うためのスキルです。

多くの企業が自社の製品・サービスをインターネット上で紹介、サイト内で取引を完結できる状況下では、いかに自社の製品・サービスを消費者に知ってもらうか、デジタルマーケティングのスキルを身に付けることが重要です。

そのノウハウの習得として、日頃皆さんがビジネスで活用する「検索エンジン」の仕組みや、SEO対策(検索エンジンの最適化)を学び直すことが重要です。

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データ分析スキル

市場の調査や商品の売れ行きを分析するにあたって、データ分析のスキルは必須です。

データ分析のスキルがなければ、意思決定場面で自社の利益となる正しい判断ができません。収集したデータを正しく分析してビジネスに活用することで、良い企業戦略を立てることができます。

ビジネスの場面でデータを使うことなく、先入観や思い込みでマーケティングを行ってしまうと、狙うべきターゲットの特定や、ターゲットに対するサービス訴求が上手くいかない可能性が高いです。

企業に大きな利益をもたらすための経営戦略を立案するためにも、データ分析スキルは身に付けておくべきスキルだと言えます。

コミュニケーションスキル

ビジネスでは様々な人と関わり合いながら事業を進めていくため、ある程度のコミュニケーションスキルが必要になります。

コミュニケーションスキルが低ければ、社内メンバーとの連携や情報の共有に支障が出てしまいます。

また、コミュニケーションスキルが低いことによって、自社の製品やサービスを顧客に上手く説明できなければ契約につなげることができず、会社の利益にもつながりません。

ビジネスで利益を生むためにも、コミュニケーションスキルの学び直しが求められます。

外国語スキル

グローバル化が進む昨今、企業には英語や中国語のような外国語スキルが求められます。

特に、今後会社を大きくして世界進出を目指す企業では、従業員の外国語スキルが必須です。

外国語の習得には多くの時間が必要ですが、スキルを習得することができれば社内で希少な人材になることができます。同時に、海外との取引役といった重要なポジションに就くチャンスも高まります。

企業がリスキリングを実施するメリット

企業がリスキリングを実施するメリット

リスキリングを実施して社員の知識やスキルを高める取り組みは、企業に大きなメリットをもたらします。

リスキリングを実施することで得られるメリットは以下の4つです。

  • 業務の効率化が期待できる
  • 採用コストを削減できる
  • 人材不足が補える
  • 社員のキャリアアップにつながる

それぞれのメリットを確認します。

メリット①:業務の効率化が期待できる

リスキリングにより、社員が高いスキルを習得することができれば業務を効率化することができます。

例えば、社員が高いITスキルを活用することで単純作業を効率化するためのシステムを開発することが可能です。

単純作業を効率化することができれば、業務に関わる労働負荷が軽減されます。また、企業の利益追求に必要な業務に取り組む時間が増えるため会社の利益拡大にもつながります。

メリット②:採用コストを削減できる

リスキリングを実施することで企業の採用コスト削減にもつながります。昨今では、急速な社会の変化の中で先端分野の知識やスキルを持つ人材の確保が急務となりました。

しかし、最先端分野のスキルを持つ人材は希少で採用が難しいばかりか、採用のために多くのコストが必要です。

リスキリングを実施することで社員が最先端分野のスキルを習得することができれば、新たな人材を見つける手間や採用にかかるコストを削減することができます。

メリット③:人材不足が補える

リスキリングを実施することで会社の人材不足を補うことができます。

日本の多くの中小企業は、少子高齢化による労働人口の減少により人材不足の問題を抱えています。

人材不足は、社内で働く社員の労働負荷を高め長時間労働につながる恐れがあります。

リスキリングにより、社内で高いスキルを持つ人材を育成することで業務を効率化することができ、社内の人材不足を補うことができます。

メリット④:社員のキャリアアップにつながる

リスキリングにより高いスキルを身に付けることができれば、社員のキャリアアップにつながります。

習得したスキルを活かすことで、より幅の広い業務で活躍することができます。

また、スキルを活かすことで、任された仕事で結果を残すことができれば昇進や昇給にもつながります。

リスキリングは、スキルを学ぶ社員にとっても大きなメリットがあるのです。

自社でリスキリングを進めるための5つのステップ

自社でリスキリングを進めるための5つのステップ

企業内でリスキリングを進める場合、5つのステップに分けて実施するのがおすすめです。

自社でリスキリングを進めるためのステップには、以下の5つがあります。

  1. 企業戦略に基づいて必要なスキルを定める
  2. リスキリングの教育プログラムを決める
  3. 社内で取り組む
  4. リスキリングに対する社員の意見を取り入れる
  5. 実際の現場で活用する

ステップごとに詳細を解説するので、今後リスキリングの実施を考えている企業はぜひ参考にしてください。

ステップ①:企業戦略に基づいて必要なスキルを定める

企業内でリスキリングを進めるにあたり、初めに行うべき重要なことは、「自社に必要なスキルを明確にすること」です。

必要なスキルを明確にすることもなく、外部に委託して闇雲にリスキリングを実施したとしても、自社が必要とするスキルを社員が身に付けることができなければ企業の成長にはつながりません。

あらかじめ、会社の現状や特徴を見極めて「どのようなスキルを持つ人材がいればより事業を拡大することができるのか」を考えてリスキリングを実施することが重要です。

ステップ②:リスキリングの教育プログラムを決める

社員に身に付けさせたいスキルが決定したら、リスキリングの教育プログラムを決めます。

教育プログラムを決める際には、社員のスキルレベルに合わせたプログラムを選ぶ必要があります。

身に付けさせたいスキルに関する知識が不足している社員に、いきなり上級者向けのプログラムを用意しても効果は薄いです。

社員それぞれのレベルに合わせたプログラムを提供することで、素早いスキルの習得を目指してください。

ステップ③:社内で取り組む

社員のレベルに合った教育プログラムが決定したら、いよいよ社内でリスキリングを実施していきます。

社内でリスキリングを進めるにあたって、あらかじめリスキリングを実施する時間を定めておくことがおすすめです。

動画コンテンツのような、隙間時間にいつでも学び直しができる教育プログラムもありますが、リスキリングの実施が就業時間外になると、社員の不満を高める可能性があります。

また、実際に社員がリスキリングを実施している様子を見ていなければ、リスキリングに関する正しいサポートや課題の改善ができません。

効率的な学び直しを行うためには、社内でリスキリングに取り組むための環境作りや社員のモチベーションを維持するための仕組み作りも重要です。

ステップ④:リスキリングに対する社員の意見を取り入れる

社内でリスキリングを実施したら、リスキリングに対する社員の意見を取り入れることが重要です。

社員から取り入れた意見や課題・悩みをもとに、リスキリングの実施方法や環境・制度を改善することで、より効率的なリスキリングを実施することができます。

また、課題や悩みが改善されることで社員自身のモチベーションを高めることができるため、おすすめです。

ステップ⑤:実際の現場で活用する

最後にリスキリングによって習得したスキルを実際の現場で活用しましょう。

現場でのスキルの活用には手順があります。リスキリングで知識やスキルを学んだからといって、いきなり1人でスキルを活用するのは困難です。

まずは、上司や育成担当者の指導のもと新たなスキルを活かした業務に取り組み、経験を積ませることでスキルの定着化を図ります。

習得したスキルが定着したのちに、徐々に仕事を1人で任せることで、実際の現場でも通用する人材を育てます。

リスキリングは実施することが目的とならないよう、現場で学びを活用できる体制を整えることが重要です。

リスキリングを実施する上でのポイント

リスキリングを実施する上でのポイント

リスキリングを実施することで、必ずしも社員のスキルを高めることができるわけではありません。

形式的にリスキリングを実施するだけでは、社員の効率的な学び直しにはつながらないのです。

企業は、社員がモチベーション高く自発的に学び直しを進めていけるよう環境や仕組みを整える必要があります。

リスキリングを実施する上でのポイントは以下の3つです。

  • リスキリングに取り組みやすい環境を作る
  • 社員のリスキリングに対するモチベーションを維持するための仕組みを整える
  • 自社の企業経営にマッチした教育コンテンツを選ぶ

1つずつ、確認していきましょう。

リスキリングに取り組みやすい環境を作る

企業は、社員に学び直しの場を与えさえすればよいというわけではありません。

学び直しに必要なコンテンツを与えるだけでは、業務と並行したスキル習得には限界があります。

そのため、企業には社員がリスキリングに取り組みやすい環境を整えることが求められます。

1日の就業時間のうちに数時間をリスキリングによる学習の時間として確保したり、IT環境を整備したりすることで社員の効率的な学びにつなげます。

社員のリスキリングに対するモチベーションを維持するための仕組みを整える

会社内で与えられた業務に従事しながらリスキリングに取り組むことは、従業員にとって負担になります。

そのため、リスキリングに取り組む社員のモチベーションを高める仕組みを作る必要があります。

例えば、「ITスキルに関する資格を取得することができた場合に手当を出す」などの取り組みが有効です。

会社が一方的にリスキリングを実施しても学びは薄いものになる可能性が高いため、社員のモチベーションを高めることで自発的な学習環境を整えることを意識してください。

自社の企業経営にマッチした教育コンテンツを選ぶ

企業がリスキリングを実施する場合は、社員の育成に使用するコンテンツ選びに注意しましょう。

一言で学び直しといっても、身に付けたいスキルによって選ぶべき教育コンテンツが異なります。

従業員のレベルに合わせたコンテンツ選びはもちろんのこと、書籍や動画といったコンテンツの種類によっても変わるため、自社の現状や特徴に合わせたコンテンツ選びが重要です。

自社の社員にマッチした教育コンテンツを選ぶことで、業務に役立つ人材を社内で育成することができます。

リスキリングを取り入れる有名企業の事例4選

リスキリングを取り入れる有名企業の事例4選

効果的なリスキリングを実施するためには、これまでの有名企業の実施事例を参考にすることがおすすめです。

業種によってもリスキリングで求められる知識やスキルが異なるため、自社の業種や特性を考えながらリスキリングの内容を選びましょう。

積極的にリスキリングに取り組んでいる以下の4社を紹介します。

  • 富士通
  • Amazon
  • 日立製作所
  • 三井住友フィナンシャルグループ

それぞれ確認していきます。

事例①:富士通

富士通は、デジタル化が進む現代においてDX企業として生まれ変わるための取り組みに力を入れています。

教育投資をこれまでより4割増やすことで、グループ内の8万人の従業員が業務に必要なスキルを学ぶための研修を提供しています。

富士通は経営に関わる多くの資本をリスキリングに使用することで、社員のスキルアップに取り組んでいます。

事例②:Amazon

世界的なIT企業であるAmazonは、社内のデジタルスキルの底上げのためにリスキリングに力を入れています。

2019年から2025年までの間に7億ドルを社員の学び直しに投じることで、Amazonの従業員10万人に対するリスキリングを実施する計画を発表しています。

リスキリングのための具体的なプログラムとしては、技術職以外の従業員を技術職へ移行させる「アマゾン技術アカデミー(Amazon Technical Academy)」などを用意しています。

また、テクノロジーやコーディングといったデジタルスキルを持つ従業員が機械学習スキルの獲得を目指す「機械学習大学(Machine Learning University)」などもあります。

Amazonでは、従業員のレベルに合わせたプログラムを複数用意しており、従業員に効果的な学びの場を提供しています。

事例③:日立製作所

日立製作所は、重点課題の一つに「デジタル対応力を持つ人材の育成」を掲げています。

日立製作所では、2020年度から「デジタルリテラシーエクササイズ」という名の基礎教育プログラムを提供しています。

このプログラムは、日立製作所グループの全従業員16万人が受講対象で、DX人材の戦略的な育成に力を入れています。

事例④:三井住友フィナンシャルグループ

三井住友フィナンシャルグループでは、会社のデジタル化を進めるために動画コンテンツを用いたリスキリングを実施しています。

動画コンテンツ1本あたりの長さは10分ほどで、社内では合計30本を超えるコンテンツが用意されています。

三井住友フィナンシャルグループがリスキリングを実施して以降、既に2万人以上の社員が研修を受講しています。

社員は通勤時間などの隙間時間を利用することで動画コンテンツを利用し、学び直しを実践しています。

リスキリングにおすすめのサービス

リスキリングにおすすめのサービス

現在、リスキリングの需要が高まっており、社内で効率的にリスキリングを行うためのサービスが増えています。

リスキリングに特化した外部のサービスを利用することで、社内人材の効果的な育成を行うことが可能です。

以下でおすすめのリスキリングサービスを紹介します。

日本リスキリングコンソーシアム

日本では、2022年6月に国や地方自治体、企業など参画団体から構成する「日本リスキリングコンソーシアム」が発足されました。

「日本リスキリングコンソーシアム」は、社員の一人ひとりが学び続け、ビジネスや組織にイノベーションをもたらす人材となるための支援を行っています。

本サービスでは、デジタルスキルを中心とした、初級から上級までのレベルに合わせた200以上のプログラムが用意されています。

本サービスの会員登録をすることで、自分のスキルにあった講座を見つけてオンラインで学習することができます。

無料で登録ができるため、社内でのリスキリングで「日本リスキリングコンソーシアム」のプログラムを活用してみてください。

リスキリングに有効な資格4選

リスキリングに有効な資格3選

ITに関する資格の取得は、社内でリスキリングを進めるうえで効果的です。

IT関連の資格を取得することで、自社のDX化を進めるために必要な知識やスキルを身に付けることができます。リスキリングを進めるうえでおすすめの資格は以下の4つです。

  • ITパスポート
  • 統計検定
  • マイクロソフト オフィス スペシャリスト
  • SEO検定

1つずつ確認していきます。

資格①:ITパスポート

ITパスポート試験とは、経済産業大臣が実施する国家試験です。ITパスポートを取得する事で、ITに関する基礎的なスキルを有することを証明することができます。

また、資格取得のための学習を通して、ITを活用した業務効率化や自社のサーバー強化に役立つ知識や技術を身に付けることができます。

ITパスポート試験は合格率が50%程度と中程度の難易度であるため、独学での取得も可能です。

資格②:統計検定

『統計検定』とは一般財団法人である統計質保証推進協会が実施している検定です。

統計検定4級やデータサイエンス (DS) エキスパートなど、全10区分の中から自身のレベルに合わせて検定を受けることができます。

『統計検定』を取得することでデータの正しい読み取り方や、実際の業務で役立つ統計の活用方法などを学ぶことができます。

データサイエンティストをはじめ、データを取り扱う仕事を行う方におすすめの資格です。

資格③:マイクロソフト オフィス スペシャリスト

『マイクロソフト オフィス スペシャリスト』とは、マイクロソフトが認定するMicrosoft Officeに関する国際資格です。

本資格を取得することで、Word・Excel・PowerPointなどのスキルを身に付けることができます。

Word・Excel・PowerPointを使いこなすことで、日常の業務効率を上げることができるためおすすめです。

資格④:SEO検定

SEO検定とは一般社団法人である全日本SEO協会が実施している検定です。

検索エンジン(Google、Yahoo!、Bing等)に自社のサイトが上位表示されるために、どのような対策を講じれば良いのか、その対策に関する知識を身に付けることができます。

上記3つの資格に比べ、比較的簡単に学習に取り組めることと、自社のサイトがなぜ上位に表示されないのか?という実務に直結した課題でもあるため、企業のサイト担当者のみならず、リスキリングの導入編として、著者もリスキリングしたおすすめの資格です。

リスキリングにおすすめの本

リスキリングにおすすめの本

リスキリングに関する知識を付けるためには、本によるインプットも有効です。

リスキリングに関する学びを深めたい方には、以下の2冊をおすすめします。

  • 自分のスキルをアップデートし続けるリスキリング
  • キャリアを作る独学力

それぞれの内容を紹介するので、本選びの参考にしてください。

自分のスキルをアップデートし続けるリスキリング

『自分のスキルをアップデートし続けるリスキリング』には、これからの社会で企業がリスキリングを取り入れる重要性が示されています。

本書籍には、リスキリングを行う際の実践方法が詳しく解説されているため、初めてリスキリングを取り入れる企業にもおすすめです。

今後、リスキリングを自社で実施したいと考えている企業の担当者におすすめの一冊です。

キャリアを作る独学力

『キャリアを作る独学力』には、急速に社会が変化する中で、これまで以上に独学が重要であることが示されています。

本書は、独学力が高い人の特徴や主体的な学びを行うための方法が記されています。

独学力を付けたい人やスキルを高めたい人だけでなく、組織において独学力が高い人材を「育てる」立場の人にとっても、多くのヒントが書かれた一冊です。

リスキリングに関するQ&A

ここまでリスキリングの意味や実施の仕方など、網羅的に解説してきました。

最後に、リスキリングに関してよくいただく質問をまとめました。

Q&A形式で紹介するので、ぜひ参考にしてください。

リスキリングに関する経済産業省の支援や取り組みは?

経済産業省は、リスキリングによるDX人材育成の支援を行っています。

経済産業省が取り組む具体的なリスキリング施策は以下です。

巣ごもりDXステップ講座情報ナビ

「巣ごもりDXステップ講座情報ナビ」は、経済産業省のサイトでデジタルスキルを学習できる講座です。

経済産業省によって、企業のデジタル技術を高められるように無料で講座コンテンツが提供されています。

講座はオンラインで視聴することが可能で、データサイエンスやサービスマネジメント、経営戦略などの知識を習得することができます。

予算をかけることなくリスキリングを実施することができるので、ぜひ利用してみてください。

中小企業にもリスキリングは必要?

現代のように移り変わりが激しい時代においては、大企業だけでなく中小企業でもリスキリングの取り組みが必須だと言えます。

中小企業のなかには、大企業と比べて予算が少なく、新たな事業へかけられる時間も少ないため、リスキリングの取り組みに難易度を感じている企業も多いです。

しかし、変化の激しい社会で同じ事業を繰り返していては企業経営を安定させることはできません。

また、デジタル技術を上手く活用することができれば、さらなる事業拡大のチャンスにもつながるため、中小企業にこそリスキリングが求められるのです。

より良い企業経営を行うために、中小企業でもリスキリングが必須だと言えます。

リスキリングにセミナーへの参加は必要?

すでに社内でリスキリングを行う体制が整っていれば、セミナーへの参加は必須ではありません。

ただし、これから社内での新しくリスキリングの体制を整える会社の経営陣であれば、体制作りや学習方法を学ぶためにセミナーへ参加することをおすすめします。

社内でリスキリングを効果的に取り入れてより良い企業経営をしよう

デジタル化が進む現代で、より良い企業経営を行うためにはDX関連の知識やスキルの向上は必須です。

有名企業の実施事例を参考にしながら、自社でリスキリングを取り入れてみてはいかがでしょうか。

また、社員が進んでリスキリングを実施していくためには、学びのための環境作りや社員のモチベーションを高める仕組みが重要です。

社員の知識やスキルを向上させて、事業の拡大を目指してください。

監修

ククレブ・アドバイザーズ株式会社 代表取締役
ククレブ・マーケティング株式会社 CEO
不動産鑑定士
宮寺 之裕
大手リース会社、不動産鑑定事務所を経て、J-REITの資産運用会社の投資部門にて企業不動産(CRE)に携わる。
大手事業法人のオフバランスニーズ、遊休地の活用等、数々の大手企業の経営企画部門、財務部門に対しB/S、P/Lの改善等の経営課題解決を軸とした不動産活用提案を行い、取引総額は4,000億円を超え、CRE戦略の立案から実行までを得意としている。
2019年9月に不動産テックを中心とした不動産ビジネスを手掛けるククレブ・アドバイザーズ株式会社を設立。
2021年10月にはデータマーケティング事業を主軸としたククレブ・マーケティング株式会社を設立し、現在に至る。