J-REITマーケット・レビュー2025 ~国債利回りの大幅な上昇により、不動産キャップレートに対するイールドギャップは大幅に縮小~
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J-REITマーケット・レビュー2025 ~国債利回りの大幅な上昇により、不動産キャップレートに対するイールドギャップは大幅に縮小~

2025年12月末の不動産キャップレートは4.00%の水準に ~日銀の利上げ観測を背景とした国債利回りの大幅な上昇によりイールドギャップは縮小傾向に~

不動産キャップレート及びイールドギャップの推移

Jリートにおける2025年12月末の不動産キャップレート(全用途-加重平均値)は、4.00%となり、下落傾向となった。不動産キャップレートは、コロナ禍以降も下落トレンドを維持しており、直近(2024年12月から2025年12月)の年変動幅をみると、-22ベーシスポイントと下落傾向となっている(図1参照)。一方、10年物国債利回りは、日銀の利上げ観測を背景として、同期間における変動幅は、+97ベーシスポイントの大幅な上昇となった。2025年12月末の10年物国債利回りは、2.06%であり、不動産キャップレートと10年物国債利回りの差を表すイールドギャップは、1.94%の水準となっている。不動産キャップレートは下落傾向となった一方で、10年物国債利回りが大幅に上昇したことから、イールドギャップは大幅に縮小(直近の年変動幅:マイナス119ベーシスポイント)している。

 

【図1】不動産キャップレート及びイールドギャップの推移(全用途‐加重平均値)

イールドギャップの長期平均(2002年5月~2025年12月)は4.23%であり、直近値(2025年12月末)1.94%は、長期平均を大幅に下回っている。

 

■ インプライドキャップレートの推移及び変動幅

2025年12月末のインプライドキャップレート(全用途-加重平均値)は3.87%であり、不動産キャップレートからインプライドキャップレートを控除して得られる両利回りのスプレッドは13ベーシスポイントとなっている。インプライドキャップレートが不動産キャップレートを下回る状況となっており、前年2024年12月末時点ではマイナスであったスプレッド(-4ベーシスポイント)はプラスに転じている(図2参照)。

 

【図2】不動産キャップレートとインプライドキャップレートの比較

直近において不動産キャップレートは下落傾向だが、インプライドキャップレートには、さらに下落傾向がみられていることから、2025年12月末時点では、同スプレッドは僅かにプラスとなっている。

 

スプレッド拡大の主な要因は、Jリート価格の上昇に伴いインプライドキャップレートが下落トレンドになっていることである。直近1年におけるインプライドキャップレート(全用途)の変動は-39ベーシスポイントであった。ただし、その下落幅は用途により異なる傾向がみられ、オフィス、賃貸住宅、物流施設の下落幅は、-40ベーシポイントを超えているのに対して、商業施設及びホテルの下落幅は、相対的にみれば小さく、-30ベーシスポイント台となっている(図3参照)。

 

【図3】用途別インプライドキャップレートの変動幅(2024年12月から2025年12月の変動幅)

 

 


 

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